女性のスカートの中をスマートフォンで盗撮しようとした罪に問われている男に対する初公判が、10月長崎地裁で開かれました。男は盗撮での前科があり執行猶予中の身でした。男が語ったのは、刑務所に入る瀬戸際にあっても歯止めがきかない程強く、衝動的な盗撮欲求。男を信じサポートしていた家族も裏切った犯行の一部が法廷で明らかにされました。
長崎県迷惑行為等防止条例違反の罪に問われているのは、長崎市に住む50歳の会社員の男です。
起訴状によりますと、男はことし8月長崎市のホームセンターで、当時36歳の女性の後方からスマートフォンをスカートの下に近づけ中を撮影しようとし、公共の場所で人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で卑猥な言動をした「長崎県迷惑行為等防止条例違反」の罪に問われています。
10月に開かれた初公判で男は「間違いないです」と起訴内容を認め、弁護人も起訴内容は争わないとしました。
妻と子3人で買い物中に犯行
検察の冒頭陳述などによりますと、男は盗撮の前科が複数あり、犯行当時は前回受けた判決の執行猶予期間中でした。
男は犯行当日、妻と子供の3人でホームセンターに買い物に来ており、妻が会計をしている時に目についた女性に対し「この人の下着をみてみたい」との衝動にかられ、2台持っていたスマートフォンのうちの1台のカメラを起動してライトをつけ女性に背後から接近ー。
男の盗撮行動に気づいた女性が声を上げて助けを求め、さらに男に対しスマートフォンの操作を止めるよう求めました。しかし、男は操作をやめず、この時に動画を削除したと指摘されています。
【被告人質問より】
被告の男:
「嫁さんが支払いしようとしている時、買い忘れたものを見に行ってAさんに目がいってしまい、ムラムラしました」
弁護人:
「前科があって執行猶予中でしたよね?まずいなと思わなかったんですか?」
被告の男:
「思ってました」
「見たい衝動の方が大きくなってやってしまいました」
検察官:
「午前11時29分頃動画が削除されてますね?」
被告の男:
「…本当に心当たりがない」
検察官:
「『やめて』と言ってもスマホの操作やめなかったと女性は言っていますが?」
被告の男:
「カメラが動かなくなったんで…その時はパニックになっててあんまり覚えてない。ライトを消すのに一生懸命になってそのままいじくってました」
スマホのカメラ接着剤でふさいでいた
前回判決を受けた後、男は月1・2回のペースで心療内科に通い、妻のサポートのもと再犯に及ばないようにしていたと言います。
男の監督を前の法廷で約束していた妻は、外出の際は行動を共にし、携帯のカメラ部分を接着剤でふさいで撮影できないようにしていました。
しかし犯行当日、男は以前使っていた古い携帯を妻には言わずに持ってきており、その二台目の携帯を使い、妻が会計で目を離した隙に犯行に及んでいました。
検察は「普段見ることのできない女性の下着を見たい思いを抑えきれず犯行に及んだ」と動機を指摘しています。
なぜスマホ2台持って行った?
【被告人質問より】
検察官:
「なぜ2台携帯持って行ったんですか?」
被告の男:
「(理由は)特にないです」
検察官:
「隠れて盗撮するため?」
被告の男:
「違います。…ゲームしようと思って」
検察官:
「カメラふさいでる携帯ですればよかったのでは?」
被告の男:
「癖っていうか別の携帯でやってしまう癖があるので」
検察官:
「その携帯を持っていくことを妻に伝える必要があったのでは?」
被告の男:
「その時はないと思っていましたが間違っていたと思います」
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