ゴールデンウイーク期間中や雨が降って外で遊べなくなった場合、屋内遊戯施設に子どもを連れていくという人も多いと思われます。tbcが調べたところ、山形県や福島県には「利用料が無料で延べ床面積500㎡以上の屋内遊戯施設」が数多くありますが、宮城県にはひとつもないことがわかりました。なぜ、県によってこうした違いがあるのでしょうか。
雨の休日、どう過ごす?
外で遊ぶことが出来ない雨の休日。どのように過ごしているのか、街で聞いてみました。
3歳の女の子の母親:
「結構テレビに頼りがちになってしまったりとか。走り回りたいけど家の中は狭いので、『走っちゃダメ!』と注意してしまうことがあって、のびのび遊ばせられていない」
小学4年生の男の子:
「外で遊べないのは悲しい。いつも雨の日はあまり遊べません」
小学2年生の母親:
「宮城県は子どもが遊ぶところが少ない。(Q.ちなみに、特に山形・福島は…)あ~、そっちはすごいですよね。山形はまだ無くて、福島は行ったことある」
実はここ数年、山形県や福島県で「無料の大型屋内遊戯施設」が次々とできているんです。
山形にできた「べにっこひろば」
仙台から車でおよそ1時間宮城の隣、山形市。市内北部に2014年にオープンした「べにっこひろば」です。
屋内施設の広さはなんとテニスコート10面分。体育館や大型遊具を備えていて、子どもたちは天候を気にせず、様々な遊びを楽しむことができます。
これだけの施設ですが、利用料はなんと無料。平日にもかかわらず、22日も多くの家族連れで賑わっていました。
山形市内に住む父親:
「多いと週8回(来ている)。午前中に来て午後に来ることもある」
山形市内の小学6年生の女の子:
「雪とか雨とかでも普通に遊べて、みんなでワイワイできる場があるのがいいなと思う」
中にはこんな人も。
以前仙台市に住んでいた人:
「仙台にいたときはどこに行くにも有料だった。こっちに引っ越してきて、大きな公園とかこういう無料の施設もたくさんあって、子育てするなら山形の方がいいなと山形に家を購入した」
山形が無料施設を作る理由
なぜ、こうした施設を作ったのか。山形市に聞きました。
山形市こども未来課 那須晴美計画整備係長:
「(山形市は)冬期間は雪が多くて、外で遊ぶ機会がほとんどなくなってしまう。そんな中で体をのびのび動かして遊びたいという声があったのでこういう施設を作ることになった」
「べにっこひろば」は、山形市が総事業費21億2700万円をかけておよそ10年前に整備し、去年7月には来園者数170万人を達成しました。
山形県や福島県にはこうした施設がたくさんあるのか、「利用料が無料で延べ床面積500㎡以上の屋内遊戯施設」という条件で、tbcが独自に調べたところ、山形県には11か所。福島県にはなんと18か所あることがわかりました。
しかし、今のところ宮城県内にはこの条件を満たす施設はひとつもありませんでした。
(白石市の「こじゅうろうキッズランド」は有料、利府町の児童センター「ぺあくる」内「ぽっちぱーく」は広さの条件満たさず)
宮城に無料施設がない理由
宮城にはどうして無いのでしょうか?仙台市に聞いてみました。
仙台市子ども家庭部 大宮伸吾子育て応援都市推進課長:
「アンケートの中の、自由記述の意見の中の、『屋内で遊べる環境』という設問。『仙台は屋内で遊べる環境が少ない。雨天時や冬など、ほかの自治体まで行くことがある』という意見がある」
仙台市は2022年、子どもの遊び場を市内の複数か所に設ける実証実験を行い、来場した人にアンケートを実施。その結果、「屋内遊戯施設が欲しい」という市民からの意見が複数寄せられました。しかし、今のところ、市は、こうした施設の設置予定は無いと言います。
仙台市子ども家庭部 大宮伸吾子育て応援都市推進課長:
「他都市にあるような無料の屋内施設とは違うが、アンパンマンこどもミュージアムや水族館など、子どもや家族が一緒に楽しめる民間の施設が、比較的仙台市は集まっている」
このほか、仙台市は児童館や乳幼児の子育て支援拠点「のびすく」を設置するなどして、遊び場を提供しているとしています。
仙台市子ども家庭部 大宮伸吾子育て応援都市推進課長:
「(屋内遊戯施設を)望む声があるのは私たちも受け止めている。現状を総合的に捉えながら、検討していく必要があると考えている」
仙台市近郊には民間の施設もあるので、市として施設を整備する予定はないということでした。
また、調べてみるとこうした施設の設置には、それぞれの県の事情があることもわかってきました。
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