文書や画像などを瞬時に作り出す「生成AI」は今、あらゆる分野でその活用が広がっていますが、仕事や日々の暮らしにどう役立てられているのでしょうか?
そして、その課題とは…。
新潟県上越市のナス農家・高波耕太郎さん(74歳)。
丸っこくて先が少しとがったブランドナス・丸えんぴつナスを作っています。
「ナスが丸いですよね。で、ちょこっと先がね尖ってるんで…。それで『丸えんぴつナス』という名前をつけたんだけどね」
そんな高波さんが着ているTシャツには『メタグリ』の文字。
一体、何??
実は、新潟県上越市のナス農家・高波耕太郎さんは、生成AIを農業に活用するコミュニティー『メタグリ研究所』のメンバーです。
生成AIを使いこなす全国各地の農家などがインターネット上で集い、日々情報を発信・交換していて、今年74歳の高波さんは、ここで知った情報を元に直販サイトを“自ら”作ったそうです。
「自分で作れば1週間くらいかかって…。考えながら作ってるんだけど、“生成AI”やそういうアプリ使うと、もう1日でできますね。私、文書作るの苦手だから…」
プロンプトと呼ばれる指示文を入力すると、自動で文書・画像・音声を生み出す“生成AI”は、2022年に無料で使えるチャットGPTが登場して以来、広く利用されるようになりました。
高波さんはチラシ作りなどでも生成AIを活用。
試しに、ナスと一緒に梱包するチラシを作ってもらいました。
生成AIで作ったイラストを貼り付けて、単語を入力。
自動で現れた文書の文字数を調整したら、あっという間に完成です。
今年74歳のナス農家・高波耕太郎さんは、若手農家とオンラインで交流しながら、生成AIを使いこなしています。
【熊本県山都町のトマト農家 梶原甲亮さん(47歳)】
「多分うちの親父と同じ歳なんですけど、それでAI使っているのは、まずすごいなと、正直感心させられたところです」
【島根県出雲市の酪農家 川上哲也さん(37歳)】
「いろいろ提案されたりするので…。AIで調べてきました、とか」
「いやホント、裏に誰かいるんじゃないかって」
そんな仲間たちとの交流も、高波耕太郎さんは楽しんでいる様子です。
「新しい情報得てね、またそれを取り入れて、挑戦するということがね」
「年寄りにはちょうど、頭使っていいんでないかと思ってね」
民間の信用調査会社、帝国データバンクが民間企業4705社を調査したところ、17%の社が生成AIを「活用している」と回答。
導入企業の8割が効果を実感しているといいます。
また、自治体での導入も進んでいます。
全国1788の都道府県と市町村を対象に総務省がアンケートをしたところ、都道府県では51%・政令指定都市では40%・市町村では9%が生成AIを導入していることがわかりました。
その使い方は、『あいさつ文の作成』が最も多く、次いで『議事録の作成』、『企画書の作成』などとなっています。
新潟県内では、少なくとも7市が導入しているということです。
例えば、新潟市では8月から文書作成などで導入しており、先日も職員を対象にした『超初心者向け説明会』が開かれていました。
この日の説明会の企画案や資料の作成にも生成AIを活用し、作業時間を9割以上も減らせたそうです。
【新潟市役所 デジタル行政推進課 小杉善一主幹】
「行政側の職員もどんどん減っている中でサービスは維持しなければいけないと考えていますので、こういった生成AIを使って人の減をカバーする…」
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