1日に発足した石破新内閣。
自民党総裁選前に行われた候補者討論で石破総理は、内閣発足直後の解散には慎重な姿勢を見せていましたが…
▽衆院本会議(9日)額賀福志郎議長
「衆議院を解散する」
十分な国会論戦の機会がないまま、総理就任直後わずか8日での解散を選択しました。
沖縄の4つの選挙区では、前回の選挙より6人増え、17人が立候補を予定。混戦が予想されています。
例えば沖縄4区では、自民・公明が支持する候補者とオール沖縄が支持する候補者の一騎打ち、というこれまでの構図が、今回は日本維新の会、れいわ新選組からの擁立も予定されていて、複雑な構図に。
前回よりも選択肢が増える衆院選。政治学に詳しい久保慶明教授に話を聞きました。
争点は
▽関西学院大学総合政策学部 久保慶明 教授
「全国的にみると、総理自身が語っている新しく誕生した石破政権への信任、これが大きな争点となっていると思う。とはいえ、石破政権は発足して間もないので、これまでの自公政権、とりわけ岸田政権への評価も問われてくるだろうと考えています。やはり裏金問題は、選挙で深めるべき重要なポイントだと考えています」
政治資金パーティーの売上を政治資金規正報告書に記載せずに、議員にキックバックしていたことが明るみに出た、自民党の裏金問題。党内では一定の処分が下されていますが、効果的な再発防止策の策定は、先送りされています。
ー裏金に関与した議員が出馬して当選した場合は“リセット”される?
「ひとつの考え方として、よく選挙で “禊が済んだ” という表現がある。問題ある行動が正当化されることはないが、選挙を経たという点では、一応の信任を得たと。有権者の支持を得たという評価は可能だろうと思います」
ー沖縄の選挙区における争点は
「日本全体でいえば南西諸島の防衛力強化がずっと続いている。その中で沖縄も重要な役割を担っている、担わされているわけですが、沖縄の皆さんがどう判断するのかというところは重要な争点になると思う」
久保教授は、南西地域の防衛力強化の名のもとに進められる自衛隊のミサイル配備など、軍備拡大への賛否も大きな争点だと指摘します。
また物価変動の影響を差し引いた賃金、「実質賃金」のマイナスが今年5月まで26か月続くなど、日常生活を圧迫する物価高への対策も注目すべきポイントだといいます。
さらに、玉城知事と政治姿勢が近い候補者が当選するかどうか、それは間接的に県政運営に対する評価にもつながります。
結果は県政の間接的評価にも
「(玉城知事が掲げる)“誰ひとり取り残さない”という部分に関しても、実際に取り残されている人はいないのか。子どもの貧困対策や若い人たちの教育、労働に関する問題。あらゆる性の人たちが暮らしやすい社会の実現。今回、国政選挙ではありますが、問われていると思う」
そして、前回同様争点となり得るのが。
「これまでの選挙では、普天間基地の辺野古移設が大きな争点となってきました。現在においてもこれが重要な争点であることは変わりないと思います」
「選挙は他に替えのきかない民意を表明する場、ひとつの仕組みですので、反対という民意を示し続けるのか。別の争点を重視して、投票先を決めていくのかという所がひとつポイントになってくると思う」
投票先を選ぶ際に、大きな指針となる争点。そしてもうひとつ大切なポイントがあるといいます。
「やっぱり日常的に周りの人たちと会話をしていても、この人はやっぱり軽いなとか。この人はすごく信頼できそうだなと、何となく感じるところはあると思う。政治家も同じで、話している様子を動画で見てみたりとか。それに触れてみた時にどういった印象を持つか。やっぱり第一印象は政治家を見る上ですごく重要だと思いますね」
公示日は今月15日。投票は27日。
私たちが自分なりの争点を見つけ、一票を投じる先を考える12日間が始まります。(取材 今井憲和)
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