京都大学iPS細胞研究所のグループは、筋肉が萎縮する難病「ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー」を再現したマウスに、脂肪・骨髄・iPS細胞から作った幹細胞をそれぞれ移植したところ、iPS細胞由来の幹細胞が最も安全で効果的に筋再生を促すことが確認されたと発表しました。
「ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー」はコラーゲンの遺伝子が変異することで発症する、筋肉が萎縮する進行性の難病です。生まれた時から力が弱く、肩や肘などの関節が固くなって十分に動かせなくなるのが特徴で、現在、根本的な治療法は確立されていません。
京都大学iPS細胞研究所の櫻井英俊准教授らの研究チームは、「ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー」を再現したマウスに、脂肪・骨髄・iPS細胞から作った幹細胞をそれぞれ移植したところ、iPS細胞由来の幹細胞で最も筋繊維が再生・成熟したと発表しました。
また、脂肪や骨髄由来の幹細胞を移植したマウスでは、筋肉が固まってしまう「線維化」が起きてしまったのに対し、iPS細胞では「線維化」が確認されず、安全性の高さが示されたということです。
櫻井准教授らは「本当にiPS細胞ができてよかった。すでにパーキンソン病でもiPS由来のもので続々と結果が出ている中で、そこを躊躇する理由はない。結果を受けて、一番成績の良かったものを使う決意ができた」などとコメントとしています。
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