8月の台風10号で宮崎県内では突風による被害が相次ぎ、現在も復旧作業が続いています。
しかし、現地では、屋根や壁の修理をめぐって、高額請求や、ずさんな施工といった、「悪質業者が入り込んでいるのでは」という話も聞かれます。
台風10号による突風で被害が大きかった地域の一つ、宮崎市の城ケ崎エリアでは今もあちらこちらで屋根や壁の修理が続いています。
早く工事を始めてもらいたいので冷静に判断することがぶ難しい
こちらの家は、屋根や壁の修理が今週火曜から始まりました。
幸い、去年、壁の塗装をお願いした顔見知りの業者とのやりとりがスムーズに進み、比較的早い段階で作業が始まったといいます。
女性は被災者の心情をこう話します。
(女性)
「(被災者は)早く工事を始めてもらいたいので、冷静に判断することがだいぶ難しいと思うので…」
このエリアで不穏な動きが
いち早い復旧作業が急がれる一方、このエリアでは屋根や壁の修理をめぐって、不穏な動きがあるという話も聞かれます。
(住民)
「自分がテレビを見ているとき『あれ?』と思ったら、2人が向こうから入ってきて、もう一人はこっちから出ていった。子どもなら分かるけど、大人が(勝手に)立ち入るのはいい気はしない」
被害の状況を確認するためか、民家の敷地内に無断で立ち入る怪しげな業者を複数の人が目撃したといいます。
(宮崎中央瓦組合 湯浅晃生理事長)
「まず我々は訪問販売をしないので。この忙しいときに営業をかけない」
こう話すのは、宮崎市や西都市などの瓦業者で組織する「宮崎中央瓦組合」の湯浅晃生理事長です。
116万円の見積もり
宮崎県外の業者が発行したとみられる一枚の見積書を見せてもらいました。
(宮崎中央瓦組合 湯浅晃生理事長)
「100万円という(見積もり)。ここの業者は…う~ん、かなり悪質だと思う」
見積もり額は、なんと116万円。
ほかの業者が見積もりをしたところ、この家はどんなに高くても半額程度の被害だったといいます。
さらに西都市では、こんなケースが…
(宮崎中央瓦組合 湯浅晃生理事長)
「30分程度(屋根に)上がって、どんな修理をしたか分からないが、60万円の請求が来たと」
被災者の「早く修理したい」という気持ちにつけこんだ高額の料金請求。
ずさんな施工も
さらに、気を付けなければいけないのが「ずさんな施工」です。
(宮崎中央瓦組合 湯浅晃生理事長)
「白く見えるじゃないですか、屋根が。あれは、全部、悪質業者が付けたシリコンです。これの使い方が悪いと、修理するときも困るんですよ」
こちらの屋根は今回の台風による修理ではないものの、悪質な業者や経験の浅い業者による施工だといいます。
瓦施工のガイドラインでは、補強の金具や芯材を取り付けてから、防水テープを貼って、初めて瓦を取り付けることになっていますが、これはシーリング材で補強しただけ。
これだと、地震や台風で瓦が落ちるリスクが高まります。
「高額請求」に「ずさんな施工」・・・被災地を狙う悪質業者に注意が必要です。
被災者の「早く直したい」という気持ちにつけこんで高い料金を請求したり、ずさんな施行をしたりと、気を付けたいものです。
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