山形県に大雨特別警報が出された7月の大雨の夜から2か月余り、当時の調査を続けてきた山形県警が新たな情報を公開した。

7月25日、記録的な大雨となった山形県新庄市で、救助に向かっていたパトカーが流され警察官2人が死亡した。

逆さまになったパトカーは2人が乗っていた車両だ。



殉職したのは、新庄警察署の玉谷凌太(たまやりょうた)警部補(巡査長から2階級昇任)26歳と新庄警察署の佐藤颯哉(さとうそうや)警部(巡査部長から2階級昇任)29歳だ。

玉谷警部補は新庄警察署の真室川駐在所に、佐藤警部は新庄警察署の交通課に勤務していた。

亡くなった2人が乗っていたのはPC31という車番のパトカー。それを踏まえ、大雨の何があったのかをすべて見てほしい。以下、山形県警の公開情報である。

PC:パトカー

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■7月25日

23:23頃 一般人から、警察本部に救助要請の110番通報。(約10分間の通報)

23:28頃 警察本部から、新庄署に救助要請110番急の無線指令。

23:30頃 新庄署から、消防に110番通報者のレスキュー救助要請。

23:31頃 PC31から、緊急走行で現場に向かう旨無線報告。

23:33頃 PC31が、現場道路の冠水域に進入。(回収したドライブレコーダーにより確認)

23:36頃 Pc31から、現場到着、110番通報のとおり要救助車両を確認した旨無線報告。

23:37頃 PC31から、パトカーが川(冠水した道路)に入っている旨無線報告。

23:38頃 新庄から、PC31に川(冠水した道路)には入らないよう無線指示。

23:38頃 PC31が、冠水により道路から流される。(回収したドライブレコーダーにより確認)

23:40頃 災害備本部から、土砂崩れや川流れに警戒するなど、警察官の安全確保を第一に指示するよう無線指示。

23:43頃 玉谷部補から、パトカーごと流されている旨110番通報。

23:47頃 PC33が、現場付近に到着。土砂崩れにより道路が遮断され、現場到着できず。(以降、更に現場付近で土砂崩れが発生)

23: 52頃 新庄署から、消防に警察官のレスキュー救助要請。(1回目)

23:53頃 機動隊車両(救命胴衣等を搭載)が、現場付近に到着。土砂崩れにより道路が遮断され、現場到着できず。

23:55頃 PC3が、現場付近に到着。交通規制を実施。

■7月26日

0時頃 PC33が、土砂崩れに巻き込まれる。(乗務員はパトカーから離脱済み)

0:01頃 新庄署から、消防に警察官のレスキュー救助要請。(2回目)

0:10頃 新庄署員から、佐藤警部に架電。佐藤警部が、現場の交通規制を要請。

0:12頃 佐警部から、パトカーから出たが流されている旨110番通報。

0:13頃 PC15(救命胴衣を搭載)が、現場付近に到着。土砂崩れにより道路が遮断され、現場到着できず。

0:14頃 PC33から、土砂崩れに巻き込まれた旨無線報告。

0:14頃 佐藤警部から、新庄署員に架電。通話途中で断電。

0:19頃 新庄署から、現場付近で活動中の警察車両に、更なる交通規制を無線指示。

0:33頃 消防車両が、大十字路方向から現場道路に到着。一般人の救助活動を開始するも、殉職察官及び被災したパトカーは確認できず。後続の一般車両の流入を規制実施。(その後の1:40頃、後続の消防車両が到着)

1:55頃 PC34が、大十字路方向から現場道路に到着し、消防車両と合流。パイロン設置による交通規制等を実施。

■26日  14:21 王谷警部補とみられる遺体を発見。(27日15:20死亡確認)

■28日  10:50 佐藤警部とみられる遺体を発見。(12:36死亡確認)

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以上、このたび公開された「あの日」に絡む出来事だ。現場がいかに過酷だったかを示しているように思う。

【警察発表 今後の現場の安全策などの詳細はこちら】https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1463680?display=1

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