群馬銀行(前橋市)は2日、深谷支店兼深谷上柴支店(埼玉県深谷市)の20代の男性行員が新紙幣に両替すると偽り、取引先16カ所から計5535万円を不正に預かり、着服したと発表した。同行は全額返金するとともに、9月20日付で懲戒解雇し、詐欺容疑での刑事告発を検討している。  支店がある深谷市は、新1万円札に肖像が描かれた渋沢栄一の出身地。同行によると、男性行員は「取引先で話題にしやすかった。当初は喜んでもらおうと始めた」と話している。

◆オンラインスポーツくじでほぼ使い切る

深谷市ゆかりの渋沢栄一の肖像画が入った新1万円札(資料写真)

 男性行員は外回りの営業担当。8月13日~9月3日に「新紙幣両替の営業目標がある」などと偽り、集めた現金のうち5115万円を自身の他行口座に入れ、違法とみられるオンラインスポーツくじなどに使い切った。入金前の420万円が車などに残っていた。

◆取引先が「もう少し協力するよ」と電話し発覚

 同行では両替は原則禁止で、必要な場合は預かり金を預金口座に入れ、払い出す。男性行員は以前にも9カ所から588万円を預かり、支店ロビーの両替機や他行で新紙幣にして渡していた。9月3日に取引先から支店に「両替の目標達成にもう少し協力できる」との電話があり、発覚した。 

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