子どもたちの環境意識が高まり、教育現場でのプラスチックごみの削減が進んでいます。牛乳などの紙パックに欠かせないストローが給食から消えつつあるのです。なかには、すべての小中学校でストローを廃止した自治体もあります…はたして広がりをみせるのか…取材しました。
「手を合わせていただきます!」
ある日の富山市内、富山大学教育学部付属小学校、待ちに待った給食の時間です。
子どもたちに人気のメニューが並びます。もちろん牛乳パックも…。
子どもたちを見ると…
200ミリリットル入りの牛乳パックの口を開け…そのまま直飲み。ストローは使いません。
この子も、あの子も…。こぼすことなく、上手に飲んでいます。
「ストローのゴミを減らせるから…」
この小学校では今年1月から、牛乳を飲むときにストローを使うかどうか、子どもたち自身の選択にまかせることにしました。
ほとんどの子どもたちが牛乳パックに口をあて直飲みしています。
ストローなしで飲むことに、抵抗はないのでしょうか?
小学5年生「飲めます」
舟本真理キャスター「最初って難しいなって思った?」
小学5年生「いいえ、簡単に飲めました。環境にも優しいと思うし、いいと思います」
低学年のクラスで聞いてみると…
小学2年生「ストロー使わず飲んでる」
舟本キャスター「ストロー付けずに飲んだら飲みづらくないですか?」
小学2年生「そっち(ストローなし)の方が飲みやすい」
舟本キャスター「ストロー使うのとそのまま直接飲むのどっちがいい?」
小学2年生「今だったら直接飲むのがいい」
舟本キャスター「どうしてですか?」
小学2年生「ストローのゴミとかを減らせるから」
“ストローなし”を選択をする児童たち…
富山県学校給食会によりますと、県内では年間1600万本のストローが使われています。
仮に県内のすべての小中学校がストローレスとなった場合(ストロー1本の重さを0.5グラムとすると)、年間7.2トンのプラスチックごみの削減になるということです。
富山大学教育学附属小学校5年1組担任
牧田健太郎教諭「4年生のときに環境についての学習をしていて、その中で海洋汚染などの学習をしている子どもたちもいるので、自主的に使わないってしている子が多いのかなって思います」
ストローを使っている子どもはほとんどいないといいます。
栄養教諭 伊藤志織さん
「最初はもっとストロー使うお子さん多いかなって思ったんですけど、実際始まってみると、子どもたちの方が柔軟にストロー使わずに飲めるんであれば、使わずに飲もうって選択されるお子さんが多いなって感じています」
飲み口は開けやすく、しかもこぼれにくい…
牛乳のストローレス化に伴い、牛乳パックも機能的に進化を遂げています。
乳業メーカーに取材してみると…
舟本真理キャスター
「こちらが新しくなった開けやすい牛乳パックです」
「パックの説明書きにそって飲み口を開けてみます。
▼まず1番、押す
▼2番で開く。確かに紙が柔らかい
▼3番で引きます。
結構、軽々開けられました。確かに、通常の牛乳パックは、この辺りが固いんですよね。でも、これは全然違い(柔らかい)ですね」
さらに、飲み口の段差をなくし牛乳が緩やかに出てくるようになっています。
子どもたちが直飲みしてもこぼさないための様々な工夫が施されているのです。
とやまアルペン乳業 上田政則さん
「半分くらい飲み切ったときに、そこを押していただくと、こぼれにくいような状態になっていると(紙パック)メーカーから聞いています」
こちらの乳業メーカーは、去年9月からこうした直飲みしやすいストローレスパックの牛乳を富山市内の小学校に提供しています。
とやまアルペン乳業 上田政則さん
「大変いい話だと思ったので、弊社にしてもストローレス対応型を検討するということで始めました。従来のものよりも接着面が少ないもんですから、片手でも開けれるような対応になったなと思います。ストローがすべてなくなって、このタイプになればゴミの量も少なくなって…よくなるんじゃないかなと思いますけれども」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。