有事や災害などが起きた際に出動する「予備自衛官」。青森県八戸市の女性は、普段は「看護師」として働きながら5年前に「予備自衛官」として鍛錬を積んでいます。
「予備自衛官制度」と、女性が志願した「思い」とは。
25歳の看護師は「予備自衛官」
八戸市の病院で看護師として勤務する田名部真弥さん(25)。大学を卒業して4年。泌尿器科と外科と救命科がある混合病棟で患者のケアにあたっています。
田名部真弥さん
「人に手を差し伸べられるような、人の助けに添えるようなことをしたいと思っていたので、救命科の混合病棟で働いています」
その田名部さんにはもうひとつの姿があります。それは…。
予備自衛官です。
「予備自衛官」は1954年の自衛隊発足とともにつくられた制度で、社会人や学生としてそれぞれの職業に従事しながら年間5日間の訓練を受け、有事や災害などの際に自衛官として活動します。
非常勤の「特別職国家公務員」で、手当ては月額4000円。対象は18歳~52歳未満であれば誰でもなることができます。
「バイト感覚で参加できることを魅力に思い…」
田名部真弥さん
「本制度を大学のときに知って、バイト感覚で参加できることを魅力に思い、参加しました。射撃検定や体力検定など、自己ベストを更新できることを目標に毎年訓練に参加しているので、とてもやりがいを感じています」
この日は陸上自衛隊八戸駐屯地で約60人とともに訓練を受けました。
自衛官として必要な知識や鍛錬を積みます。
田名部さんは、まだ被災地などの支援に派遣された経験はありませんが、予備自衛官は元日の能登半島地震でも被災者の生活支援などにあたっています。一方で県内では「なり手」が年々減少傾向にあり、5年前に比べると15%ほど少なくなっているのが現状です。
『看護師』としても『自衛官』としても…
自衛隊青森地方協力本部 岡村正彦 本部長
「任期制の20代から入っていただく予備自衛官につきましては、かなり充足も少なくなってきている。我が国のいざというときの安心・安全を確保するための貴重な人材でありますので、募集活動、宣伝をして優秀な方にどんどん入っていただくことを心がける」
予備自衛官となって5年。田名部さんは看護の仕事にあたりながら、いざという時に対応できるよう備えを進めています。
田名部真弥さん
「有事のさいに看護師としても自衛官としても助けを求めている人に寄り添えるように日々努力したい」
仕事と両立する自分の姿を通して、田名部さんは新たな仲間が増えることを願っています。
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