「見るだけでいいから」と誘われた《着物の展示会》で、高齢者が必要のない着物を次々に購入させられ支払いに困る事案が確認されており、国民生活センターが注意を呼び掛けています。
腰の曲がった母親が…呉服店の「展示会」で高額契約
センターが26日に発表した情報によりますと「一人暮らしの母親が呉服店から誘われた展示会で次々と高額な契約をしていることが分かった」とする相談が60代の人から寄せられたということです。
相談者によると購入した母親は腰が曲がっており着物を着られる姿勢ではなく、購入した着物やジュエリーなどはほぼ未使用でタンスにしまってある状態で、「必要ないのに断れず契約したようだ」ということです。
毎月のクレジットカード会社への支払額は総額30万円を超えており、年金収入だけの母親に支払える金額ではないと訴えているということです。
高齢者を狙う「次々販売」
一人の消費者に対し、業者が商品やサービスを次々と販売し契約させる「次々販売」のトラブルは高齢者を中心に後を絶たない状態です。一度契約すると情報が別の業者にも流れ、勧誘が相次ぐケースもあります。
埼玉県によりますと「無料着付け教室の折込チラシを見て友人を誘い、生徒数人に一人の先生がつく授業を週1回受けることになった。1カ月後、先生から『着物のセミナーがある。見るだけでいいから』と誘われた。セミナー終了後の販売会で袋帯や帯締めを勧められ、断りきれずに購入契約した」
「翌月もセミナーに誘われ、長時間の勧誘と買うしかない状況の中、訪問着、帯留めを購入してしまった」などの事案も発生しています。
生活困窮に追い込まれるケースも
国民生活センターでは、高齢者が「次々販売」などの被害に遭ってしまうと、生活が困窮するなど日常への影響が大きくなると指摘しています。
展示会等に行ってしまい強引な勧誘をされても、必要なければきっぱりと断ること、断る自信がなければ誘われても行かないこと、家族や周囲の人は、日頃から高齢者の自宅に不審な書類や商品がないか、様子がおかしくないかなど、気を配るよう呼びかけています。
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