奈良県三郷町が発注した公共工事の入札情報を業者に漏らした罪に問われた前町長。大阪地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

判決などによりますと、奈良県三郷町の前町長・森宏範被告(65)は4年前、町が発注した保育園の建て替えに伴う工事の入札前に、建設業者に設計金額を教え、公正な入札を妨げました。

これまでの裁判で、森被告は「町と縁の深い業者の育成をしたいという思いだった」などと起訴内容を認めていました。

検察側は「被告は25年ほど前から業者から選挙応援を受け、飲食をしたり、中元や歳暮を受け取ったりするなど懇意な関係だった。知り合いの別の業者を下請けにするよう繰り返し要求していた」などとして、懲役1年6か月を求刑していました。

27日の判決で、大阪地裁は「入札制度の根幹を揺るがすもので、入札金額の高止まりを招きかねず悪質」などとしたうえで、被告が反省の態度を示していることや、すでに町長を失職し、社会的制裁を受けていることなどを考慮し、森被告に懲役1年6か月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。

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