柏崎刈羽原発の使用済み核燃料が26日、青森県 むつ市の中間貯蔵施設に搬入されました。東電の目指す6・7号機の再稼働に向けて、今回の搬出は大きな意味を持ちます。柏崎刈羽原発の稲垣 所長は「原発を安定して運転していくためには使用済み燃料プールの空き容量を増やす必要がある」と述べました。

むつ市の港に入った使用済み核燃料の運搬船。

運ばれたのは柏崎刈羽原発4号機の使用済み核燃料69体で、

午後4時半、国内で初めてとなる原発敷地外での中間貯蔵へ向けた搬送が完了しました。

この使用済み核燃料の搬入完了を前に開かれた柏崎刈羽原発の稲垣武之 所長の定例会見。「核物質防護上の観点から所感はまだ話せない」とした上で…
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「燃料をしっかり安全に貯蔵することが望ましいので、そのためにも中間貯蔵は意義があると」

東電の目指す6・7号機の再稼働に向けて、今回の搬出は大きな意味を持ちます。

柏崎市の桜井雅浩 市長は再稼働を認める条件の一つとして、6・7号機の使用済み核燃料の貯蔵率をおおむね80パーセント以下にすることを求めています。

6・7号機の貯蔵率は現在90%を超えていて、

東電は今月、7号機で保管している使用済み核燃料の一部を3号機に移し、
使用済み核燃料プールの空き容量を確保する「号機間輸送」を始めました。

ただ、これにも限界が…。東京電力によりますと、6・7号機がどちらも再稼働した場合、仮に今回のように敷地の外に使用済み核燃料を出さなければプールは4年ほどで満杯になるということです。

【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】「4年を超えたらどの号機も満杯になってくるということなので、今後安定して運転していくという観点においては、発電所全体で使用済み燃料の空き容量を増やすというのは意義がある」

稲垣所長はこう述べたうえで、使用済み核燃料を再処理工場で有効活用する核燃料サイクルの重要性を訴えたました。ただ、青森県 六ヶ所村の再処理工場はまだ完成していません。

【使用済み核燃料搬入反対現地実行委員会 栗橋伸夫 事務局長】「いつかこの日が来るのは想定していましたけど、ついに来たのかと残念な思い。50年経って(施設から)出ていくのは実質的にないのではないか」

中間貯蔵施設での保管は最長50年ですが、むつ市の地元関係者には核燃料の長期保管につながる懸念が残っています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。