中古スマートフォン転売事業への出資を持ちかけて現金をだまし取ったとして、警視庁暴力団対策課は25日、格闘技団体「ブレイキングダウン」運営会社の元代表で、情報機器販売会社社長の板垣雄吾容疑者(44)=東京都渋谷区=ら男女3人を再逮捕したと発表した。認否は明らかにしていない。2020年から22年にかけ、複数の出資者から80億円以上をだまし取ったとみて調べている。  ほかに逮捕されたのは、会社役員の田丸隼也(35)=新宿区、会社員の堀川美貴(30)=渋谷区=の両容疑者。  同課によると、板垣容疑者らは「国内で仕入れたスマホを海外に転売し、2カ月後に出資額の7~8%を上乗せして返済する」などと持ちかけ、経営者らに1社1億円の出資を要請。実際には仕入れも転売もしていなかった。  板垣容疑者が経営する会社は高級車メーカーのフェラーリ社とスポンサー契約を結んでいた時期があり、「スマホの売却先はフェラーリ社」とうそをついて出資を募っていた。  再逮捕容疑では、2022年7月1~8日、スマホ転売の架空事業への出資を持ちかけて、40代の男性会社役員から8000万円をだまし取ったとされる。  板垣容疑者らは今月3日、別の40代の会社役員の男性2人から計5億5000万円をだまし取ったとして逮捕されていた。   ◇   ◇   ◇

◆運営会社「経営や事業活動に板垣氏の影響はない」

 ブレイキングダウンは、プロの格闘家や素人の腕自慢らが集い、1分間で勝敗を決める格闘技イベント。インターネットで配信され、過激な演出で一部の若者から人気を集めている。  板垣容疑者は運営会社の創業メンバーの1人で、2021年に代表に就任。23年2月に退任後、同7月まで社に在籍していた。  捜査関係者によると、今回の事件は板垣容疑者が代表を務めていた期間の出来事。田丸容疑者は被害者に「ブレイキングダウンの代表者がやっているビジネスだ」と持ちかけ、知名度を利用していたとみられる。  運営会社は25日、板垣容疑者の逮捕を受け「非常に遺憾」とした上で、「当社の経営や事業活動に板垣氏の影響はございません」とのコメントを出した。  ブレイキングダウンを巡っては、過去に出場者が強盗や傷害などの疑いで逮捕される事件もあった。(昆野夏子) 

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