鹿児島県奄美大島の東の海上にあった「低圧部」が、「熱帯低気圧」に変わりました。熱帯低気圧は「台風の卵」とも呼ばれます。今後、台風にまで発達するのか動向に注意が必要です。気象衛星ひまわりの画像では、奄美大島の東、本州の南に熱帯低気圧の白い雲のかたまりが確認できます。25日(水)から29日(日)の雨・風シミュレーションは画像で掲載しています。

気象庁HPより

低圧部とは

熱帯地方で見られ、周囲に比べて気圧がやや低い所を「低圧部」と言い、「低気圧」と区別しています。「低圧部」は中心が明確ではないため、天気図で中心の位置を示すことはありません。熱帯低気圧や台風などのように、反時計回りの風の循環がハッキリしないのです。

それに対して、熱帯低気圧は・・・

熱帯低気圧は、反時計回りの風の循環が明瞭で、「台風のたまご」とも呼ばれます。中心付近の最大風速がおよそ17m/s以上になると「台風」となります。気象庁の天気図(24日18時)では、日本の南に中心気圧が1006ヘクトパスカルの熱帯低気圧があり、ゆっくりと東に進んでいます。

気象庁HPより

48時間後の26日午前9時の予想天気図でも、熱帯低気圧は奄美大島の東側に位置している予想です。

気象庁HPより(一部加工)

気象庁からは、発生した熱帯低気圧について、台風にまで発達するかどうかの発表は今のところありませんが、低圧部から熱帯低気圧を経て、台風まで発達したケースはたくさんあり、この熱帯低気圧の動向に注意が必要です。

画像で掲載している25日(水)からの雨・風シミュレーションでは、熱帯低気圧の周囲で風速12メートル以上の風が渦を巻く予想です。26日には風速はやや勢いを落とす予想です。シミュレーションで見る限りは、台風になる可能性は低いかもしれませんが、熱帯低気圧から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となって、ゲリラ雷雨が発生し、シミュレーションで雨が予想されていない場所も局地的に雨となる可能性があります。また、シミュレーションの予想が外れ予想以上に熱帯低気圧が発達するおそれもあります。今後の気象情報に注意してください。

25日(水)から29日(日)の雨・風シミュレーションは画像で掲載しています。



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