「僕の体と似てる…。仲間がいるんだって思えたかな」。小学2年生の男の子は《憧れの人》を前にそう語りました。骨がもろく骨折しやすい生まれつきの難病「骨形成不全症」を抱える三代愛大さん(8)。《憧れの人》は長崎県に暮らす秋山大輝さん(18)、同じ病気を抱える10歳年上の先輩です。母親を亡くしている愛大さんは今月、祖母と一緒に大輝さんが暮らす長崎へと向かいました。
島根県で暮らす三代愛大(うた)さんは小学2年生の8歳。「骨形成不全症」という難病を抱えて生まれてきました。
Youtubeで同じ病気を抱える10才年上の秋山大輝さんの存在を知り、毎日の様に映像を見ては励まされてきたといいます。
2万人に1人「骨形成不全症」とは?
「骨形成不全症」とは、骨がもろくて骨折しやすく、骨の変形をきたす生まれつきの病気です。およそ2万人に1人の割合で生まれるとされ、推定およそ6千人の患者がいるとされています。成長障害や背骨の変形による呼吸障害、心臓の弁の異常による心不全などが引き起こされることもあります。
NBCでは骨形成不全症を抱える1人、長崎県に暮らす秋山大輝さんを7年に渡り継続取材しており、2021年にはドキュメンタリー番組、「大輝、15の春」を制作しました。
【ドキュメンタリー「大輝、15の春」より】
秋山大輝さん:「こんにちは。どうぞ~」
あおむけに寝転がったまま足で床を蹴り、ずりずりと器用に自由に家の中を動き回る秋山大輝さん。天性の明るさと知的さを持つ大輝さんを通して難病を抱えて生きる1人の人生と支える家族の思いをみつめています。
番組ナレーション:
「ぼく、秋山大輝。生まれた時の身長は41センチ。体重2310グラム」
大輝さんと秋山家の日常を描いた「大輝、15の春」は、一時期アナウンサーを夢見ていた大輝さん本人がナレーションを担当。現在もNBCのYouTubeで配信中です。
母・伴子さん:
「生まれて来たときは産声をあげなくて、『骨形成不全症』だったって聞いて、もうちょっとびっくりしたんですけど」
ナレーション:
「骨折と治療を繰り返し、僕は大きくなりました」
愛大さん、大輝さんに会いに長崎へ
島根県に暮らす三代愛大(うた)さんは、「大輝、15の春」をYoutubeで見て大輝さんの存在を知りました。同じ病気を抱える大輝さんと家族が、前向きに日々を重ねている姿に釘付けとなり、以来毎日の様に番組を見ていると言います。
〈愛大さんからのビデオメッセージ〉
「秋山大輝さんはじめまして。これ秋山大輝さんの15の春です。ぼく秋山大輝さんみたいな人が好きです。これからもよろしくお願いします」
憧れの大輝さんは10歳年上の18歳、この春社会人になりました。「大輝さんに会うこと」ーそれを今年の夢にしていた愛大さんは今月、夢を叶えに長崎県にやってきました。
これまでもSNSなどを通して家族ぐるみでの付き合いを続けてた秋山家と三代家。愛大さんに初めて会う日…。長崎の大輝さんは少し緊張気味です。
少しずつ乗りこなしている「歩行器」にまたがり、歩いて玄関まで出迎えた大輝さん。そこに、祖母に抱えられた愛大さんがやってきました。
「こんにちは」
「あっ大輝君!大輝君、はじめまして」
「大輝君の後を追いかけてください。愛大君も」
「ちょっと待って、急がんば」
愛大さんはお尻を床につけて、足で床を蹴って進みます。思いがけない愛大さんの速さに、案内する大輝さんは追いつかれまいと必死で居間へと急ぎました。
「数時間しか生きられない…」大きなうぶ声を上げた愛大さん
三代愛大(うた)さんは2016年4月4日生まれ。
「数時間しか生きられないかもしれない・・・」家族はそう告げられていました。
みんな覚悟を決めた末の出産。愛大さんは大きな産声を上げました。その後、骨折を繰り返しながらも少しずつ、たくましく育っています。
そして今回愛大君は、大輝さんに会う夢を叶えるため、祖母のみのりさんと飛行機と車を乗り継ぎ、はるばる島根から秋山家を訪れました。
大輝さん:「長崎遠くなかった?大丈夫だった?」
愛大さん:「はい」
大輝さんの母・伴子さん:
「愛大くんは学校のお勉強で何が好き?国語とか算数とか」
愛大さん
「…給食!」
大輝さん
「…(爆笑)…いいね!いいね!」
愛大さん
「食べる授業!」
大輝さん
「うん、そうね」「…弟です!」
愛大さんが大輝さんのために持ってきたお土産は、肩にファスナーがついた洋服でした。寝ていることが多い大輝さんと愛大さん2人にとって、かぶる形の服は脱ぎ着がしにくいのです。
愛大さんが特別に作ってもらっているファスナーで全開になる洋服を、大輝さん用にも作ってもらいプレゼント。
大輝さん:「ほんと、すごい。これいい」
愛大さん:「脱ぐときはズボンのように」
大輝さん:
「あーなるほど!」
「どこを骨折しているかにもよりますけど、着やすいかもしれないですね」
「仲間がいるって思えたかな」8歳の愛大さん
愛大さんに、大輝さんに会えた気持ちをたずねました。
三代愛大さん:
「うーん。大輝君はやっぱり僕の体と似てるところが、まあ仲間がいるんだって思えたかな」
Q今日、会えてどうですか?
「嬉しいです。ありがとうございます」
Q大輝君はどうですか?
「僕に会うことが今年の目標って言ってくれてたので、それは嬉しいかなと思います。そしてわざわざ会いに来てくださったので、ありがとうございますってとこですね」
三代愛大さん:
「まあ、ここに来るおかげでいっぱい食べ物も食べれたし」
Q何を食べました?
「ポテトとナゲットとナゲットと…ソフトクリームのチョコ味を食べました」
食べること、話すことが大好きな愛大さん。顔もくるくる変わる表情も、頭の回転の速さや話し方も、なぜか2人はそっくりです。
大輝さんの妹・実優さん:
「入ってきた瞬間、もう本当、身長が違うだけだなあって思いました」
大輝さんの父・和朗さん:
「ずっと楽しみにしてくれたみたいで動画とかもよくもらってみてたんですけど。あー声とか似てるなあって思って、やっぱかわいいですよね、こうやって似てると」
大輝さんの母・伴子さん:
「このままの明るさで大きく本当なってもらって、大輝を抜くくらいにもっともっと元気にお兄ちゃんに育ってもらったら」
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