富山地方鉄道の3路線について支援のあり方を議論する沿線市町村のトップを集めた会議が24日、初めて開催されました。このなかでは、自治体が施設の整備費用を負担する「みなし上下分離方式」の場合、事業費は600億円に上るとされていて財政負担の割合などを巡り、県の参画を求める要望書を提出することが決まりました。

24日に開かれた富山地方鉄道の鉄道線支援に向けた会議。富山市や滑川市、立山町など沿線7市町村のトップと富山地鉄の中田邦彦社長が出席しました。

会議ではまず、発起人の藤井富山市長が「富山地方鉄道の昨年度の営業損益が5期連続の赤字という大変厳しい状況にある中、地域住民の生活の脚や通勤通学の脚として、重要な役割を果たしている。鉄道路線の支援の在り方について沿線首長の皆さんと合意形成を図ってまいりたい」とあいさつしました。

“新駅の設置” 含めた利便性向上の必要性

鉄道事業の不振が続く富山地方鉄道を巡っては、電鉄富山から宇奈月温泉までを結ぶ本線と、立山黒部アルペンルートの玄関口となる立山線、富山市の南側を走る不二越・上滝線の3路線の再構築へ向けた議論がはじまっています。

県は、自治体が施設の整備費用を負担する「みなし上下分離方式」の場合、事業費はおよそ600億円に上り、負担額は国が半額の300億円、県と沿線市町村はそれぞれ150億円と試算しています。

会議は冒頭以外非公開とされ「赤字」への対策の必要性や経営の立て直しを図る「鉄道事業再構築」の必要性として、新駅の設置を含めた利便性の向上、支援を行う際の財政負担の割合について議論する必要性があることが共有されました。

一企業で支えられる金額ではございません…

3路線は沿線の市町村において地域事情が大きく異なることや県のまちづくり、観光施策に影響を及ぼす重要な社会インフラであることから今後の進め方として県にも支援のあり方の検討に参画を求めるとする要望書を提出することで合意しました。

富山市 藤井市長
「富山地方鉄道の鉄道線というのは県の公共交通の計画や富山県全体の活性化にとって、必要不可欠なんですね。このことから考えてもですね。我々関係沿線の市町村と、何よりも県が入っていただいて、しっかりと当事者として関わっていただくことが大事なんじゃないかなと」

富山地方鉄道 中田邦彦社長
「まだ具体的に何も決まっていないので、今後、どういう形になっていくのかまた協議をさせていただきたいと思っています。私どもとすれば今の鉄道線の赤字というのは一企業で支えられる金額ではございませんということをご説明させていただいた」

富山県への要望書は9月30日に提出される予定です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。