22日朝、北海道小樽市の国道で、乗用車同士が衝突し、大学院生が死亡した事故…相手の車は飲酒運転の疑いですが、目の当たりにした女性が衝突の瞬間、直後の緊迫した現場の状況を語ってくれました。
センターラインを越えた白い車と衝突した直後、反対車線の黒い車が大破し、飛び上がります。
さらに、同じ車のドライブレコーダーの後部の映像には、黒い車が飛んでくる様子もとらえられていました。
この事故が発生したのは、22日午前7時すぎ…小樽市銭函の国道5号線で、黒い車を運転していた札幌市中央区の大学院生、田中友規(ゆうき)さん24歳が死亡。
反対車線に出た白い車を運転の函館市宮前町の自称・会社員、大沢亮汰(りょうた)容疑者32歳は、現場での呼気検査で、酒気帯び運転の基準値の3倍を超えるアルコールが検出され、酒気帯びと過失運転致死の疑いで逮捕されています。
このドライブレコーダーの車の女性が目の当たりにした衝突の瞬間、直後の緊迫した現場の状況を語ってくれました。
女性の車は事故の前、死亡した田中さんの車の左側を、同じ方向に走行していました。
・事故の瞬間は?
「いや、もう、怖かったですね…すごく震えたし、爆発だと思って車を降りましたから」
・すぐに助けに行った?
「まずは横転してる方だなと思って、白い煙も上がってたので」
「オイルなのか、ガソリンなのか、わかんないけど、すごい漏れ出してて、危険だなって」
「それより、血液がどんどん、どんどん、窓から流れ出てて…」
「110番して『横転してる、助けてください』って言ったら『運転手、助け出せそうですか?意識ありそうですか?』って言われたんだけど、血の流れてる状況を見て、もうこれは無理と思って『見れない』って言ったんです」
「だけど『誰か行けそうな方いないですか?』みたいな感じで」
「そしたら若い人が向こうの運転手を助けた後に『僕たち見ます』って言ってくれて、5人で一緒に見に行った」
「もう、運転席もフロント部分もグチャグチャだったから、トランク開けて、物を出したら、手が上に何か片手が伸びてる感じで、頭も陥没して顔面蒼白、もう意識はないんじゃないかなって」
「でも、救急隊が来るまでは、やっぱ呼びかけないと命が落ちちゃうなと思って、呼びかけて、呼びかけて、呼びかけていたら、救急隊員が来た。でも、あの血液の量が半端なくて…」
その後、相手の運転手を探すと、横転した車の近くにいて、大沢容疑者は自分から「僕です」と告げたといいますが…
「すごい、お酒の臭いがしたから『まさか、あんた、飲んでないよね?』って皆で言ったら『僕、飲んでます』って」
「それで、ふざけんなよって!『どのぐらい飲んでるの?』と聞いたら『結構、飲んでます』と」
「動揺してるのか(大沢容疑者も)被害者に近づいてって『すみません、すみません』みたいな感じだった」
・どこに向かう途中だと?
「函館。自分の職場が函館にあって、函館に帰るんだと」
「函館まで帰るつもりだったんだなと思うと、すごい腹立たしいです」
「ちょっとでも寝てから行けば、こんなことなかったのにって思って」
「外に出ても、すごい酒臭かったから。目も充血していましたね」
・飲酒運転が後を絶ちませんが?
「みんな、事故を起こしてからじゃないと、気づかないのかなって思って」
「警察とドラレコを確認したときに『あなたも危なかったよ」って言われて、心臓のバクバクが止まらなかった」
・あらためて、容疑者に言いたいことは?
「あんなに反省するぐらいだったら、その前にやめて欲しかった」
「自分たちに謝るぐらいだったら、本当にやらないで欲しかった」
「私たちが『お酒飲んでない?」って聞くまで、言ってなかったから、バレなきゃそのまま過ごしたのかなと思うと、すごい腹立たしいです」
これまでの取り調べに対し、大沢容疑者は「大変、申し訳なく思っている」と容疑を認めた上で「札幌市内の飲食店を数件はしごして、友人らと酒を飲んだ。前日から日付をまたいで、 数時間にわたって飲んだ」などの旨の供述をしているということです。
警察は危険運転致死の適用も視野に、引き続き調べをすすめています。
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