近視の子どもが増えてきた

視力が1.0を下回る子どもが過去最も多くなっています。
スマホやタブレットの影響もあり多くなってきている『近視』について、その背景と対策を聞きました。

話を聞いたのは、新潟市西区にある『はにゅうクリニック』の眼科医・羽入貴子副院長です。

「中学生や高校生で、裸眼視力が1.0未満の人は50%を超えていて、多いです」

2022年度に文部科学省が5歳から17歳を対象に行った調査では、裸眼視力が1.0未満の子どもは、小学生で3割を超え、中学生でおよそ6割、高校生ではおよそ7割となっています。
調査の時期が異なるために単純な比較はできませんが、小・中・高いずれも1.0未満の割合が、調査が始まって以来最も高くなっています。

また新潟県内では中学生で1.0未満の割合が67.1%と、全国平均を上回っています。

学校健診もしているという羽入貴子副院長によりますと、中でも「近視」の症状が多いそうです。

「学校健診では視力不良の方が来ます。近年増えているのではないかと思います」

近視の要因は? 新型コロナウイルス禍の影響も…

近くのものは見えるが遠くのものはぼやけて見づらいという『近視』。
要因の1つは「遺伝」です。
両親が近視の子どもは、そうでない子どもに比べた場合、7~8倍で近視になりやすいということです。

そして、もう一つの要因は「環境」。

【はにゅうクリニック 眼科医 羽入貴子副院長】
「近くを見るライフスタイルが増えていることと、屋外で遊ぶ時間が減っていることが、近視の進行と関係がある」

NTTドコモのモバイル社会研究所の2023年の調査では、小学6年生の65%がスマートフォンを所有していると回答。さらに学校では、タブレットを使った授業も導入されています。

近くでものを見る時間が長いと、目のピントを合わせる筋肉に負担がかかり、近視の進行につながりやすいということです。

【はにゅうクリニック 眼科医 羽入貴子副院長】
「タブレットを使うときには、理想を言えばなるべく大きな画面のものを使った方が良いです。近い画面を30分見たら少し遠くを見るという“休憩の時間”を作ってまた近くを見るようにすれば良い」

また新型コロナウイルス禍で“外出の機会”が減ったことも、近視の子どもが増えている要因の一つだというのです。

太陽の光を浴びよう!

近視は「屋外活動の時間が長いほど進行しにくい」と言われていて、太陽の光を浴びることが近視予防の対策になるそうです。

【はにゅうクリニック 眼科医 羽入貴子副院長】
「必ずしも直射日光で浴びる必要はなくて、日陰でも十分な進行抑制の効果があると言われています。理想は1日2時間くらい屋外にいると、近視の進行予防になる」

また、羽入副院長は「将来になって近視が進行しやすくなる可能性もあるので、0~1歳の子どもには、スマホなどの画面を見せるのは0分。2~4歳は60分以下を推奨しています」と話していました。

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