岡山県北に、全国でも珍しい祭りがあるのをご存じでしょうか?人の体に宿った神様が暗闇の中を走り回り、「捕まると3年以内に災いが起こる」との言い伝えがあるのです。

750年続く神秘の奇祭にRSKのカメラが密着しました。

邪魔をすると容赦なく「ゴーサマ」が捕まえに来る

【画像①】

「ギャーテー、ギャーテー・・・」

真夜中の境内を、人々が逃げまわります【画像①】。

(悲鳴をあげる子ども)「怖い!」

【画像②】

「ギャーテー、ギャーテー・・・」

皆が恐れているのは、人に憑依した神様「ゴーサマ」です。

【画像③】

(祭りに訪れた人は)
「異様な祭り…」
「捕まったら3年以内に…それでも参加してみたい」

そう、この祭りには「捕まると3年以内に災いが起こる」との言い伝えがあるのです。

750年間 檀家に受け継がれてきた「奇祭」二上山護法祭

岡山県美咲町にある霊山「二上山」。東の「弥山」と西の「城山」の二つの峰から成ることから、その名前が付けられました。

【画像④】

その弥山の頂上付近にある両山寺で、750年の歴史があるといわれているのが「二上山護法祭」です。

【画像⑤】

(両山寺77代目住職 井上観賢さん)
「かつては真言宗と天台宗の二宗兼学の寺として栄えた」

750年前の建治元年、当時の住職である定乗が、仏教の守り神「護法善神」からのお告げを受けて始めたのが「護法祭」です。護法祭は、両山寺の檀家を中心に代々受け継がれてきました。

【画像⑥】

「ゴーサマ」の邪魔をすると3年以内に...

護法祭の象徴となっているのが、神の依り代となる「護法実(ごほうざね)」です。地元では「ゴーサマ」とも呼ばれ親しまれていますが…。

(二上護法祭保存会副会長 金田稔久さん)
「人に神が乗り移り、境内をお遊びになる…」

(二上護法祭保存会副会長 石田秀則さん)
「お遊びを邪魔したらダメ、というのが簡単なルール…」

【画像⑦】

「お遊び」の邪魔をすると容赦なく捕まえに来る、という「ゴーサマ」ですが、地元の人たちにとっては大切な存在です。

(二上護法祭保存会副会長 金田稔久さん)
「みんなのいろんな厄を、全部払ってくれている」

【画像⑧】

「ゴーサマ」の重役を担うのは誰?

祭りの核となる護法実。その重役を担うのが、大阪府在住の自営業・白川晃太郎さんです【画像⑨】。先代から護法実を継いで今年で10年目を迎えます。

【画像⑨】

護法実である白川さんは、祭り当日までの一週間、世間から隔絶されひとり山に籠ります【画像⑩】。

【画像⑩】

そして祭りが始まった 逃げ惑う人たち 追いかけるゴーサマ

(法螺貝の音)
8月14日の深夜法螺貝の合図で、護法祭が始まります【画像⑪】。

【画像⑪】

(観客)
「どきどきします」

一週間の修行を終え、山を下りた護法実【画像⑫】。

【画像⑫】

寺へ到着すると、神を憑依させる「祈りつけ」が始まります【画像⑬】。

やがて、神が憑依すると境内へと飛びだしてくる「ゴーサマ」。750年つづく神秘の祭です。

【画像⑬】
【画像⑭】

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