今年(2024年)8月末~9月初めにかけて台風10号が西日本を中心に迷走した影響で全国各地に風雨の被害をもたらし、交通網が混乱しました。しかし、まだまだ台風には十分な注意が必要な季節です。

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今回のような迷走台風の場合、進路予想はかなり難しいですが、基本的には進路は事前にわかるケースの方が多いです。そこで、国土交通省は、台風が発生し地域の河川の氾濫が起きそうな時、住んでいる地域に影響が出る前に「マイ・タイムライン」(住民一人ひとりの防災行動計画)を作成しておこうと呼びかけています。

(この記事の後半に、一般的な「マイ・タイムライン」を紹介していますので参考にしてください)

「マイ・タイムライン」とは?

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「マイ・タイムライン」は、台風の接近によって河川の水位が上昇する時に、住民一人ひとりが命を守るためにどのように避難行動を進めていくかを整理しておくものです。

2015年9月に発生した関東・東北豪雨の際、避難の遅れや避難者の孤立などがあったことから、事前の防災計画の大切さを重要視し、防災ツールとして開発されたものです。

最近では、より充実した「マイ・タイムライン」作成のため、ワークショップなどの催しで共同で考える場が増え、地域住民とともに防災対応力の向上を目指す動きも活発になってきました。

どんな準備をすればいいの?

「マイ・タイムライン」の準備として、住んでいる地域の水害リスクなど地域の防災情報を確認し、どのように行動するかを考えていくことから始めます。

作成に当たっては、事前に以下のような情報を集めておきましょう。
●市区町村が公開している洪水ハザードマップの入手
●洪水ハザードマップの内容確認(住んでいる地域の予想される水深と照らし合わせたうえで自分の家が浸水するかどうかを確認)
●住んでいる地域が浸水した時の水が引くまでの時間を確認
●住んでいる場所について土砂災害の危険の有無
(土砂災害特別警戒区域、土砂災害警戒区域等)
●洪水時の避難場所と、近くの浸水しない場所(浸水深以上の階のある場所)を事前に把握(※洪水時の避難場所は地震時の避難場所とは異なります)

台風が再接近する前にどんな準備ができる?

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「マイ・タイムライン」は、台風の再接近時間が迫る中、再接近の5日前からできることを時系列でまとめ、効率よく動くための目安となります。

台風の接近に伴い河川が氾濫する可能性がある場合、その前にどんな備えができるでしょうか。適切な時間に適切な対応ができるように備えや行動を整理していきましょう。

※ただし、河川の氾濫は直前の雨量によっては早まることもあります。行政や気象庁から発信される情報なども参考にしながら、準備や避難に遅れが出ないよう柔軟に対応することも大切です。

「マイ・タイムライン」を作ってみよう

一般的な台風の影響を受けた河川の状況、台風や河川の氾濫に備えた事前行動を時系列にまとめてみました。独自の「マイ・タイムライン」作成時の参考にしてください。

(以下の時系列は一般的な動きとして参考にしてください。災害の状況によって起こる現象はまちまちですので、常に最新の台風・気象情報等はこまめにチェックしてください)

台風が再接近する5~3日前にやっておくこと 

台風の再接近が予想される5~3日前ごろには、台風の進路が見え始め、たいていの場合、自分の住む地域にいつごろ再接近するのかもわかってきます。

このころは、前線の影響ですでに雨が強く降っている場合もあります。こまめに台風や天気予報を確認しておきましょう。また、家の周りで飛ばされそうなものがないか確認しましょう。念のため、常備できる食料や水などを購入したり、空のペットボトルに水を入れて凍らせたりしておくとよいでしょう。

主な備えは【画像④】にまとめています。

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台風が再接近する2日前にやっておくこと

台風の再接近が予想される2日前ともなると、雨や風が強くなり外出するのも大変になってきます。

また、川の水位の上昇も心配です。川の水位や状況はインターネットでも情報は入手できます。避難するときにもっていくものを準備しておいたり、万が一浸水することを想定して、大事なものを二階や高いところに上げたりしておきましょう。

なお、主な備えは【画像⑤】にまとめています。

【画像⑤】

台風が再接近する1日前にやっておくこと

台風の再接近が予想される前日ともなると、雨や風が強くなり川の増水も心配です。川の上流の天気や雨量などにも警戒しておく必要があります。

そろそろ、避難場所の確認やいざという時のために家族と連絡を取り合うことも始めておきましょう。万が一の断水に備えて風呂に水をためましょう。

なお、主な備えは【画像⑥】にまとめています。

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台風が再接近する半日前にやっておくこと

台風の再接近が予想される半日前には、川の水位もずいぶん上昇し、河川敷にまで水が流れていることも考えられます。また、上流の雨の状況次第ではこの時点で氾濫の危険性があります。

行政から出される情報や携帯メールに送られてくる避難情報なども参考に、いつでも避難できるように準備しておきましょう。携帯電話やモバイルバッテリー、ノートパソコンを充電しましょう。周囲で通行止め情報がないか確認しましょう。避難しやすい服装に着替えておきましょう。

なお、主な備えは【画像⑦】にまとめています。

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台風が再接近する5~3時間前にやっておくこと

台風の再接近が予想される5~3時間前には、さらに川の水位が上昇し「高齢者等避難」や「避難指示」などが発表される頃です。

避難が必要と判断される場合には、川が氾濫するまでに早めに避難を始める必要があります。避難の際は、動きやすい靴を履きましょう。

なお、この時間帯の主な備えは【画像⑧】にまとめています。

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