8月29日から9月1日にかけ、台風10号の大雨の影響で、東海道新幹線は合わせて1300本が運休しました。
JR東海は新幹線の雨対策について、愛知県内の大規模施設で研究を続けています。
テレビカメラ初潜入の取材です。
台風10号の接近に伴い降り続いた記録的な大雨。東海道新幹線は4日間にわたって運休が続きました。その数、合わせて1300本。
日本の大動脈のストップで、夏休み最後の週末は大混乱。
この事態を受けてJR東海は…。
“日本記録超え”の雨を降らすことができる研究施設
(JR東海 丹羽俊介社長 9月4日)
「我々が、これまで得られなかったような豪雨のデータを得られた。これを有効に活用しなければいけないと思う」
東海道新幹線は、盛り土の上を車両が走る区間が多く「雨」の影響を受けます。
JR東海にとっては、大雨の中での安全運行が課題。
そこで…
日本記録を超える雨を降らすことが可能な、愛知県の研究施設を取材しました。
(桜沢信司 気象予報士)
「東海道新幹線が、どれほど雨に耐えられるのか。JR東海が作った独自の実験施設がこちらです。一体どんな施設なんでしょうか」
テレビ初取材 JR東海の研究施設
JR東海が技術開発を行う心臓部、通称“小牧研究施設”です。
(JR東海 技術開発部 新美利典さん)
「こちらは東海道新幹線の実際の盛り土を再現した施設。高さが約6.1メートルあります」
敷地の一角に再現した、新幹線の盛り土。
コンクリートで固め、表面には排水パイプが確認できます。
今回、JR東海が行う大雨を想定した実験では、盛り土の中の水分量がどれくらいになるかを検証します。
テレビカメラが入るのは初めてです。
1964年に開業した東海道新幹線。全線の44%が盛り土区間です。
盛り土はコンクリート製の高架に比べると雨に弱く、過去には愛知県内で崩れたことも。
「盛り土内の水分が どのように変化するか計測」
(JR東海 技術開発部 新美利典さん)
「昨今、雨の降り方がより激しくなっている。現状の盛り土が、どのくらいの実力値を持っているかを把握しようと」
地球温暖化で経験したことがないような雨への対応が求められ、ここ“小牧研究施設”では2022年から「盛り土」にセンサーを設置。
今までの対策が有効なのかを調べるため、水分量のデータをとってきたと話すJR東海。
(JR東海 技術開発部 新美利典さん)
「実際に降るよりも強い雨を降らせた状況の中で、盛り土内の水分が、どのように変化するか計測している」
(桜沢信司 気象予報士)
「何ミリくらいの雨を降らせることができる?」
(JR東海 技術開発部 新美利典さん)
「散水装置では、1時間雨量200ミリまでの雨を人工的に降らせることができる」
(桜沢信司 気象予報士)
「1時間200ミリ!日本記録も153ミリですよ」
(JR東海 技術開発部 新美利典さん)
「今だけではなくて将来を見据えた取り組みということで、あえて高めの1時間雨量200ミリの試験環境で行っている」
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