プロテインというと“筋トレのお供”というイメージが強いですが、食が細い高齢者の栄養補助などにも利用されています。需要高まるプロテインの最前線を取材しました。

筋トレを愛する人の味方「プロテイン」

 岩肌のような広背筋に、8つに割れた腹筋。9月1日、京都で行われたボディビル大会では約200人の選手たちがまばゆいほどに鍛え上げた肉体を披露しました。スポットライトを浴び、観客を熱狂させる筋肉。日々の過酷な鍛錬のたまものです。

 京都府精華町のトレーニングジム「D’gra」で、トレーニングに打ち込む人に話を聞きました。
 
 (利用者)「(脚の筋肉は)まだ小さいほうです。もっと大きくならないと…」

 そして、筋トレを愛する多くの人がお供にしているのが「プロテイン」です。

 (利用者)「おいしいです。トレーニング後のご褒美ですかね。筋肉に対しても、おいしいので自分に対しても」

健康やダイエット目的でプロテインを摂取する人たちも

 筋肉増強のイメージが強いプロテインですが、ダイエット目的などで摂取する人も増えています。

 大阪市西区北堀江のカフェ「プロテインラボ」。プロテインを配合したスムージーは一杯たったの51キロカロリーですが、成人女性が1日に必要なタンパク質の約半分がとれるといいます。

 (記者)「一番人気のキウイストロベリーバナナプロテインスムージーをいただきます。・・・普通にスムージーを飲んでいる感じですね。バナナが入っているからすごく濃厚でおいしいです」

 ほかにも鶏肉や卵などタンパク質が盛りだくさんのサラダボウルも人気で、低糖質かつ高タンパクのメニューが、若い女性を中心に支持されています。

 (客)「一応健康的なの食べたいなと思って」
 (客)「脂質が低くてしっかりタンパク質がとれるのと、玄米は食物繊維が豊富なので、健康のために選びました」

拡大するタンパク補給食品市場と多様化する商品

 プロテインなどタンパク補給食品の国内の市場規模は約2700億円。筋トレブームに加えてコロナ禍の運動不足解消が拍車をかけ、この10年で3倍になりました。増える需要を取り込もうと、商品も多様化しています。
 
 大阪市内の会社「Ultimate Life」では、プロ仕様のものから、成長期の子ども向けのものまで約9種類のプロテイン商品を企画・販売しています。

 (Ultimate Life 田中久登取締役)「こちらは完全栄養プロテインと呼ばれるものです。一般的なプロテインはタンパク質がメインになっていますが、それ以外の栄養素を多分に含んでいます。朝が忙しくて食パン1枚しか食べられてないみたいな方に、摂取していただきたいと考えています」

 この日、会社ではダイエット中の人をターゲットにした新商品の開発が行われていました。

 (Ultimate Life 大崎芳朗さん)「ピーチの香りがする粉を入れまして、そこに甘みとかいろんなものを足していってピーチの味に仕上げていく」

 ダイエット向けに配合した食物繊維などに由来する苦みをどう隠すか、様々な味付けを試します。

 (Ultimate Life 田中悠貴社長)「あ~、後味にちょっとだけくせがありますね。香料によって隠しやすいものと隠しづらいものがあるので、そこが差として表れている感じがしますね」

“プロテインブーム”は若者だけのものではない?

 プロテインブームは若い世代だけにとどまりません。兵庫県尼崎市の高齢者施設「アマルネス・ガーデン」。利用者の筋力低下を防ぐため、足腰を鍛えるトレーニングを行っています。そして、運動が終わると…グラスに注がれたプロテインを“一気飲み”。

 (利用者)「プロテインにバナナ味がついているの。(Q味は?)まあまあ」

 (社会福祉法人あかね 瀬部翔太さん)「食事を摂取していただいているんですけど、それだけでは(タンパク質が)足りないということで、プロテインを摂取していただいて、ここで運動したものがしっかりと身につく状態にしていきたいなと」

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