大阪府豊中市の中学校で、ハンドボール部の顧問が部員全員に丸刈りを強要していたとされる問題、豊中市が25日会見を開いて、これまで把握している経緯を明らかにしました。

市教委は冒頭、「本市の教員が起こした行動で、つらい思いをした保護者、生徒にお詫びします」と述べました。

つづいて、これまで確認できていることを明らかにしました。ただし、当該教員は体調不良のため直接聞き取りはできておらず、現在調査中だということです。

◆顧問が部員の胸倉をつかんだ事案

市教委によりますと、2021年3月、複数の部員が顧問から「学校の提出物がちゃんとできていなかったら退部や」と言われ、翌日、提出が間に合わなかった部員が「やめます」と回答。

すると顧問は「やめるなら、今までお世話になった人たち全員を今日中に学校に連れてきて、謝罪しろ」と発言したということです。

このやりとりの中で、部員は「教員に胸倉をつかまれた」と保護者に訴えているということです。顧問は「やめると言ってきた際、出ていこうとするから肩をおさえた」と説明したということです。

◆丸刈りの事案

2021年6月の学校行事に、持ち込み禁止のスマートフォンを持ってきたハンドボール部員がいて、その後顧問と部員が複数回ミーティングを繰り返したあと、その生徒と同じ学年の部員5人全員が丸刈りをしてきたということです。

顧問は校長に対し「強要はしていない」と話したということですが、この点について問われた市教委は、厳しい見方を示しました。

「部員全員が『気合を入れるため』と同じ答えを言っている。ルールを破っていない部員も丸刈りをしているのはおかしいと思う」「顧問と生徒という優越的な関係の中で、仮に直接言っていなかったとしても、そういう雰囲気を作るということ。立場の弱いものがどう感じたかが重要と考える」

ほかにも個別に丸刈りを求められていたという相談が保護者から寄せられたり、担任教諭がハンド部に所属する生徒が丸刈りにしてきているといった情報が、聞き取りのなかで明らかになったということです

◆部活をやめたいという生徒に「代わりを連れてこい」

市教委によりますと、同じ年の12月ごろにも、「指導が厳しく部員がけがをしてしまうほど」「部をやめることに対し強い引き留めがあり、『代替の人員を連れてこい』など心理的に辞めることができないよう追い詰める」などの相談があるということです。

豊中市教委は、丸刈りの強要や暴言など、児童生徒の人権を傷つける指導が行われていないか、改めて学校に調査を行う、などの対応を検討するということです。

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