シリーズでお伝えしている次の衆議院選挙に向けた長野県内の各選挙区の動き。
今回は、塩尻、諏訪、木曽地域など有権者およそ24万人の長野4区です。
自民党の現職と、共産党の新人の2人が、立候補を予定していて、ほかにも候補者擁立の動きが続いています。


自民党 後藤茂之氏:
「(諏訪地域は)東洋のスイスと呼ばれた精密工業の時代、そして日本のラインを支える精密デバイスなどの一つひとつが誇りだと思っています」

8期目を目指す自民党の後藤茂之(ごとう・しげゆき)さん68歳。

9月7日、諏訪地域で開かれていた芸術祭のオープニングイベントで、地元の小学生の合唱に耳を傾けました。

現職議員としての公務を優先させつつも、地元での催しにも参加しています。


自民党 後藤茂之氏:
「大規模な事業をしっかりと地域の皆さんの要望に沿って実現していくというときに、政治家としてできる限り地元の声を反映できるような事業推進力を持っていることは大切だと思っています」

2000年の選挙で初当選した後藤さんは、コロナ禍に、厚生労働大臣に就任。

その後、経済再生担当大臣を務めました。

国政の中枢を担いながら、長野4区選出の議員として地域の課題と向き合います。

自民党 後藤茂之氏:
「平成18年の諏訪湖の災害や、西山の土石流や御嶽山や南木曽などいろんな地域で災害が起きています。災害に強い地域を作っていくということは非常に重要です。国土強靭化の計画実施では、自民党政府の政策として推進していきます」

また今回、避けては通れない「政治とカネの問題」。

派閥に所属したことがない後藤さんは、自身の透明性をアピールし、国民の信頼回復に向けて党として是正を図っていきたいとしています。


自民党 後藤茂之氏:
「私自身はこれまで25年間、一度も派閥に入ったことはなく活動をしてきましたから、しっかりと透明性を確保して、必要でない制度については、徹底した見直しをすることも必要だと思います」


共産党 長瀬由希子氏:
「日本共産党は102年前の戦争中の暗黒時代から唯一戦争反対を貫いてきた政党として、核兵器禁止条約の批准を強く求め、みなさんと力を合わせて参ります」

共産党・新人の長瀬由希子(ながせ・ゆきこ)さん56歳。

8月15日、終戦の日に合わせて訴えたのは自民党政治の転換です。

この日は、諏訪市、下諏訪町、岡谷市、塩尻市を回り、共産党の地元議員などとともに街頭に立ちました。

共産党 長瀬由希子氏:
「自民党の政治の下で押し付けられてきた痛みや苦しみを取り除く運動をいろんな分野で起こしていくということで、共産党自身が力をつけていかないと、この流れを大きくできないと感じていたので、予定候補者であると同時に、共産党を強く大きくする責任者でもあるという立場でこの間、臨んできました」

2021年の前回選挙に敗れた後、2023年の5月に次の衆議院選挙への立候補の意思を固めた長瀬さん。

この3年間、精力的に地域を回り、有権者の声に耳を傾け続けたことで、コロナ禍や物価の高騰で生じた経済格差の解消こそ喫緊の課題だといいます。


共産党 長瀬由希子氏:
「私たちは最低賃金の思い切った引き上げで時給1500円、月の手取りを20万円くらいにすることが必要だと思っています。だから大企業の中に史上最高貯まった内部留保に時限的に税金をかけて財源を作って、それを全部中小企業の支援に充てることで賃上げできるようにする。こういうやり方で政治の主導で本当の意味で賃上げできるようにしてお金が回るようにします」

9月27日に行われる自民党の総裁選について、自民党の体質は変わらないとして、野党共闘を進め、次の選挙での政権交代を目指すとしています。


共産党 長瀬由希子氏:
「政権交代というのは必須ですよね。つまり自民党の中で顔が変わっただけでは(体質は)変わらない。市民と野党の共闘を再構築することが必要だと思っていますので、新しい政治の枠組みを作らなきゃいけないし、その希望を知らせることができるか野党の側にも問われている。その自覚も覚悟も持って私たちも呼び掛けていきたいと思っています」

長野4区を巡っては、このほか国民民主党が公認候補の擁立を表明しているほか、立憲民主党も擁立を模索しています。

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