島根発祥の民謡、安来節。
その音色に魅せられた1人の女性がいます。
現在大学4年生、若干21歳にして「師範」の肩書を持つ彼女。
安来節でたくさんの人を笑顔にしたいと絃を鳴らす、若き三味線奏者を取材しました。

どじょうすくい踊りで知られる民謡・安来節。
8月、この安来節の歌や踊り、三味線などの腕前を競う全国大会が、発祥の地・安来市で行われました。
全国から600人近い参加者が集まり鍛え上げた技を披露。
そんななか、「絃 師範の部」に出場したのが、福本唯央那(いおな)さん、21歳です。

福本唯央那さん
「この準優勝したのは高校2年生の全国大会ですね。」

鳥取県琴浦町出身の福本さんの家にお邪魔すると、賞状がズラリ。
普段は実家を離れ、岡山県の大学に通っています。

福本唯央那さん
「大学では法学部に所属して、基本的な法律の知識を学んでいます。特に国際法のゼミに所属していて、将来は国際的な仕事に携われたらいいなと。」

そんな福本さんが安来節を始めたのは、中学1年生のときのこと。

福本唯央那さん
「地域の文化祭があってそこで安来節を披露されていて、三味線の手さばき・音色・勢いというものに惹かれて自分も始めてみたいと思って。」

そこで、地元・琴浦町内の安来節教室の門をたたいた福本さん。
彼女を待ち受けていたのは…

「いままでで一番いいよ!めちゃくちゃいいな!」

こんがり焼けた肌に、茶髪、ピアス…三味線よりも常夏のビーチが似合いそうないで立ち、笑顔が素敵な男性です。

福本唯央那さん
「小谷先生の三味線を見て、その迫力だったり演奏の緩急や音色、そういうところに惹かれて…」

実はこの男性こそ、福本さんが三味線を始めるきっかけとなった人物。
師匠の小谷幸洋さんです。

小谷幸洋さん
「驚きましたね、初めてだったかな中学生の子が。中学生が民謡に興味あるんだと思って本当に驚きました。」

安来節保存会東伯支部に所属する小谷さんは、安来節の界隈ではちょっと名の知れた人物。
去年の全国大会では「絃 師範の部」で優勝、全国トップクラスの実力の持ち主です。

そんな師匠の音にほれ込み弟子入りした福本さんは、ほどなくして才能を開花させます。
中学生の時は2年連続で全国優勝大会・少年の部で優勝。
去年「准師範」に昇格すると、勢いそのままに「絃 准師範の部」を制しました。

小谷幸洋さん
「唯央那ちゃんは正直で素直。
三味線の音を聞くと性格が人の性格がわかるっていうんですよ。
でも三味線を聞く限りは荒っぽい…どっちが本当の唯央那ちゃんかなっていう…二面性があるんかな(笑)」

安来節を始めて9年。
福本さんは着実に腕を磨いてきました。
しかし…

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