TポイントがVポイントと統合し、日本最大級のポイントサービスがスタートしました。「新Vポイント」の特徴や、貯まったポイントの上手な活用法を「ポイ探」代表取締役の菊地崇仁氏に聞きます。

「新Vポイント」始動でポイ活競争激化 

4月22日、三井住友カードが提供する「Vポイント」とTSUTAYAなどで使える「Tポイント」が一つになり、日本最大級のポイントサービスがスタートしました。
新たなVポイントのユーザー数は約8600万人。
国内で750万店舗、世界では1億店舗で利用できます。

ポイントを巡って、顧客の囲い込み競争が激化しています。
4月10日にはNTTドコモとネット通販大手のAmazonが決済やポイント事業で連携。
Amazonで5000円以上の買い物をすると、Amazonポイントに加え、dポイントが貯まるサービスを開始しました。
また、楽天グループも複数ある決済アプリを統合し、金融サービスを強化するとしています。
各社、新たな取り組みを発表し激しさを増す‟ポイ活”競争。

「ポイ探」代表取締役の菊地崇仁氏はー
「各社ポイント経済圏で利用者を囲い込み、より巨大な経済圏を作るため、弱い部分を強化しようと提携や統合などが一気に進んでいる」
と話します。

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
例えばドコモはEC(ネット通販)に弱いので、強化するためにAmazonと提携しました。

弁護士 八代英輝:
人々の生活のあらゆる場面での消費行動を自分たちの経済圏に取り込もうという動きが劇的に激しくなっているということですよね。

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
それこそ政府や自治体もポイントを使っていますから、もう何でもポイントが貯まる時代が来ています。

「新Vポイント」の特徴

まず「Tポイント」は、提携しているレストランやドラッグストアなど約15万店舗で利用可能。
「Vポイント」は、三井住友銀行や三井住友カードを利用したときにポイントを得ることができます。
この2つが統合したことで、15万店舗+クレジットカードのVisa加盟店1億店の両方で使えるようになりました。
さらに、Tポイント提携店でなおかつVisaの加盟店なら、ポイントの二重取りも可能となります。

恵俊彰:
二重取りって?

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
元々Tポイントは、カードを提示するだけでポイントが貯まった。クレジットカードで払うとクレジットカードの分も貯まりますので、提示+決済で二重取りとなります。それが同じポイントで貯まるようになりました。

さらに菊地氏は、このVポイントの最大の売りは「スマートフォンのタッチ決済」だといいます。

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
QRコードを見せたりバーコードを見せたりではなく、スマートフォンをかざすだけで支払うことができる。このタッチ決済で払うだけでポイントが貯まるのが、今回のVポイントのウリだと思います。

恵俊彰:
Vポイントアプリがあれば、タッチ決済ができる?

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
ApplePayかGooglePayに登録する必要がありますけれども、1回やってしまうとコンビニなどでQRを出さずに、タッチするだけで支払うことができます。

さらに、タッチ決済に変えることでポイントの還元率もアップします。
三井住友カードでは、普通にクレジットカードで支払いをすると通常0.5%還元ですが、対象店舗でスマートフォンのタッチ決済に変えるとプラス6.5%の還元となり、合わせて7%の還元になります。

ポイントは‟消費”から‟運用”へ

今はポイントを貯めた後、ただ使うのではなく、「運用」をするのがトレンドになってきています。
「運用」と「投資」があり、違いは以下の通りです。

≪ポイント「投資」≫
投資と名のついている通り資産形成が目的です。
保有ポイントで、金融商品、例えば株などを購入することができます。本来の金融商品と同じように、元本割れのリスクもあり、手数料などがかかる場合もあります。
分配金・配当金を受け取るときはポイントではなく現金でもらいます。
ただ資産形成として株などを買うということで、証券口座や税務申告などが必要になります。

≪ポイント「運用」≫
ポイント運用の目的は、ポイントを増やすことです。
サービス提供会社が指定するコースから選んで運用します。
デメリットとしては、投資対象の選択肢が少ない・ポイントが減るリスクなどがありますが、手数料などは基本的にかかりません。
受け取りはポイントなので現金のやり取りはなく、従って証券口座などは必要ありません。

ほったらかしで自動運用 4年で3万ポイント増

実際にポイント運用をしている、ポイ活主婦&節約ライターの谷口さんにうかがいました。

谷口さんは、日常的にポイントを貯めたり使ったりするのに加え、PayPayでポイントを運用。
▼金と連動してポイントを運用する「ゴールドコース」
▼IT関係の企業に連動して運用できる「テクノロジーコース」
などからコースを選び、保有ポイントのうち何ポイント運用するかを決めます。後は自動運用でほったらかしに。

4年間ほったらかしにしたところ、元々6万5350ポイントだったものが、4年間で9万7606ポイントに。3万2256ポイント増えたそうです。

谷口さんは、
「全力投球で全てやると面倒くさくなってしまう。今すぐ使うポイントではないなら現状維持しつつ、残高が足りない場合に使うとき以外は放っておけばいいと思う」
と話しています。
※投資は自己責任です。リスクがあります

恵俊彰:
よく分からないんですけど、何に使われているんですか?運用って。

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
基本的に、投資信託を代わりに企業が買っているんです。例えば金のコースを選ぶと、PayPay側が金に連動する投資信託を買います。それが上がって売却すると、PayPayがそれを戻してくれるという仕組みです。
PayPayの場合は、自動でポイントを追加するというオプションがありますので、本当にほったらかしでいけますね。

弁護士 八代英輝:
僕は、PayPayポイントは金連動で運用していて、楽天ポイントはポイント投資で投資信託にしてます。

恵俊彰:
ポイントって、「今日ガソリン入れたからついたかな」とか、「牛丼食べたからポイントついたな」とか思って、溜まったものを映画館で使ったりしてましたけど、今は違うんですね、時代が。

弁護士 八代英輝:
僕も使わなかったポイントがずっとあって、もったいないことしたなと思って運用することにしたんです。

コメンテーター 水谷隼:
楽天とかdポイントを持っていて、あまり使った記憶がないんですよね。もうすぐ有効期限が切れるとなって、別に欲しくないのに急いで使うパターンが多いので、投資だったらもうその瞬間にお任せしちゃえばいいですね。

選ぶ際は「還元率」だけに捕らわれない

ポイ活を始める際のポイントとして、菊池氏は
「たとえ還元率が10%でも使えなければ意味がない。ポイントの使いやすさ、自分の生活圏に利用できるお店があるかなどに注目してポイ活するのがおすすめ」
と話します。

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
ポイント還元率を見て「これは溜まりやすいからこのポイントにしよう」と決めるのではなく、「このポイントを使えるからこのポイントを貯めていこう」と考える。
ゴールを先に決めて、そのゴールを目標に貯めていく方が良い。
例えばAmazonの利用が多いんだったらdポイントを貯めて、貯めたdポイントでAmazonを利用するという考え方ですね。

恵俊彰:
よく、ポイントはまとめた方がいいと言われるじゃないですか。それはどうなんですか?

「ポイ探」代表取締役 菊地崇仁氏:
まとめた方がやっぱり得なんですけれど、これだけ経済圏が乱立するとまとまらない部分も出てくる。
今後は「併用」も重要になってくると思います。

(ひるおび 2024年4月23日放送より)

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