青森県にあるイトーヨーカドー弘前店のファストフードショップ「ポッポ」の人気商品「クレープ」。県内では“馴染みの味”という人も多いのではないでしょうか?

全国でのイトーヨーカドーの閉店に伴い弘前が全国で最後の販売店になり、多くの人が別れを惜しんでいます。

「こんなに愛されていたんだな…」“ポッポのクレープ”全国最後の販売店

香ばしく焼き上げた生地にフルーツや生クリームを贅沢にトッピングした「クレープ」。イトーヨーカドー弘前店のファストフードショップ「ポッポ」の人気メニューです。

クレープを作る店員の様子
「お待たせいたしました!ありがとうございます!」

イトーヨーカドー弘前店「ポッポ」高谷真奈美店長(63)
「こんなに愛されていたんだなと、つくづく感謝している」

弘前市にポッポが誕生したのはイトーヨーカドーが開業した1976年。今の店長・高谷真奈美さんにとっても思い出深いメニューはこの「クレープ」です。1983年頃に販売を始めるのにあたり、ある場所へ視察に行ったといいます。それが…。

独自の進化を遂げ考案された「焼きそばクレープ」

(1983年の東京・原宿)
当時、流行の最先端のショップが軒を連ねていた東京・原宿です。

イトーヨーカドー弘前店「ポッポ」高谷真奈美店長(63)
「初めてクレープをやるのにあたり、上司が『原宿のクレープ屋さんを見てこい』と―。お客さんとしてお店に行って、いくらか買って食べて、買って食べてを繰り返して、研修と言うか視察に行った」

こうして生まれた弘前店のクレープは、高谷さんたちスタッフのアイディアで独自の進化を遂げます。そのなかで考案されたのが「焼きそばクレープ」でした。

イトーヨーカドー弘前店「ポッポ」高谷真奈美店長(63)
「総菜メニューでいろんなものをやってきたけど、焼きそばパンもあるからクレープに入れてもいいんじゃないかと誕生した。県外に行った方が帰ってくると『これはソウルフードだ』と言っていただける」

「お母さんにねだって買ってもらった」市民の“青春の味”

ポッポのクレープはかつて、北海道、東北を中心に10店舗以上で販売されていましたが、時代が進むにつれて減っていき、今は弘前だけです(「青森」は2024年7月28日に閉店・「弘前」は9月29日にイトーヨーカドー弘前店と共に閉店します)。この店舗の閉店に伴い、クレープも販売は終わることになっていて、いまは名残を惜しむ人が多く訪れ、連日賑わっています。

クレープを焼く店員の様子
「クレープは50分待ちです!」

来店客は
「クレープを食べたいというときはポッポです。かなり小さい時からあって、ずっと食べてましたね」

「夕方買い物に連れて行ってもらって、おなかすいた時にお母さんにねだって買ってもらったという思い出がある」

ポッポのクレープは歳月を重ねて弘前市民にとって「青春の味」といえるほどの存在となりました。

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