結婚や出産で激変する女性のライフステージ。

性別に関係なく、誰もが自分らしくキャリアアップを目指せる社会の実現には何が必要なのか。女性が安心して働ける環境づくりに取り組む沖縄のステーキ店で「ママ店長」となった女性の働き方を通して見つめます。

県内外に7店舗の飲食店を展開する「碧(へき)」。

東町本店で店長を務める佐和田レイさんは現在3人の子どもを育てていて、碧で初めての「ママ店長」です。

碧 東町本店の佐和田レイさん

▽碧 東町本店店長 佐和田レイさん
「けさの仕込みをして昼の営業から夕方の片付け、夜への準備までを基本的に行っています」

ーーでは子どもたちは早めに保育園に?

「そうですね。7時には保育園に連れて行っているので、子どもたちはちょっと早起きになっている」

この日も、仕事を終えて急いで子どもたちのお迎えに向かいます。

ーー夕方のこれからの時間は忙しい?

「迎えてからは仕事の時よりも忙しい(笑)。移動中が唯一休める時間…なんですけど、どうしても仕事のこと考えている自分がいますね。残業したくてもできないので、区切りをつけて仕事を終わらせて帰ることがほとんど。なので完全燃焼で帰れた日は最高ですけどなかなかないですね」

子どものお迎えが幸せな瞬間

常に仕事のことを考えてしまい、切り替えが難しい生活。それでも子どもたちを迎える瞬間が何より幸せだといいます。


自宅に着いてからも息つく暇なく夕飯の準備に取り掛かりますが…。

自宅で夕食の支度



(子どもたちの泣き叫ぶ声)
「嫌!ぎゃーーーー!」「ねぇ喧嘩しないで!」「ぎゃーーー」

家では子どもたちが“大騒ぎ”

仕事と家庭の両立に奮闘する佐和田さんは、会社のある制度に支えられているといいます。

▽碧 東町本店店長 佐和田レイさん
「今まではフルタイムで夜まで働いていたんですけど、今は夕方5時に帰って子どもたちと過ごす時間を確保できている」

「碧」では、子育て中の社員は子どものお迎え時間に間に合うように朝社員として働き、それ以外の時間をフル社員がシフト制で勤務する体制をとっています。

そうすることで、夜の営業が中心となる飲食業界でも、子育てをしながら働き続けられる仕組みを作りました。働き方が違っても気持ち良く働けるよう、フル社員には手当をつけることで差別化を図っています。

▽碧 金城智子代表
「元々は基本給から1万円を引いたのが朝番の基本給という形で、減らす対応で差別化をしていた。ですけど給料が減るというイメージがすごく良くないので、それはやめようと。(逆に)増やすことで、フルタイム手当の付与、と考え方を変えています」

「朝社員」と「フル社員」双方が気持ちよく働ける

自身も3人の子どもを育てる金城智子代表。ライフステージが変化した女性も働き続けられる会社作りを意識しているといいます。

碧は全管理職に占める女性比率が66%、出産や育休を経ても現場に戻る社員が多いのも特徴。こうした取り組みが評価され、2022年、女性の活躍推進に取り組む優良企業に贈られる「えるぼし認定」を県内の飲食店で初めて獲得しました。

女性管理職が多い「碧」

▽碧 金城智子代表
「女性が活躍する会社、とお褒めいただくこともあるんですけど、正直まだまだ声を拾って改善しないといけないところはある。新入社員から入ってきて、定年、定年後もここで働ける環境を整えていくのがこれからもずっと私の目標」

性別に関係なく、誰もが働き続けられる環境をつくる。碧のこうした取り組みは「ジェンダー平等を実現しよう」というSDGsの目標に繋がっています。

佐和田レイさん

▽碧 東町本店店長 佐和田レイさん
「この仕事が好きなので、子どもたちに“かっこいいママ”って思われるように、仕事も家庭も両立して、自分のやりたいことを一生懸命やり続けるママでありたいな」

働く女性が自分らしく活躍していくための、時代に合わせた環境整備が求められています。

(SDGsについて考えるRBC「つなごう沖縄」9月12日放送回)

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