24時間、365日稼働し続ける地域医療の要、鳥取県米子市の鳥大病院高度救命救急センター。
医師不足がさけばれるなか、この春、期待の男性新人救急医が誕生しました。
過酷な救急医療の最前線から見えてきたものとは。
緊急性の高い重篤な患者を24時間体制で受け入れる三次救急医療機関、鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター。
「はい、鳥取大学高度救命センター医師の藤井です。カー要請?はい、わかりました」
この場所で、慌ただしくドクターカーの要請に対応する男性。
藤井直人医師、倉吉市出身の28歳。
鳥取大学医学部を卒業後、研修医生活を経て、今年4月、このセンターに加わった期待の新人救急医です。
鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター 藤井直人 医師
「これからね、首に点滴入れるよ。ちょっとチクっとするよ」
鳥大病院救命救急センターには、次々と重篤な患者が運ばれてきます。
瞬時の判断や様々なスキルが求められる過酷な現場。
鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター 藤井直人 医師
「最初は救急の現場が非常に怖いなって思ってたんですけど、自分将来医者になって診療していくにあたって患者が急変するときもあるし、目の前で患者が倒れたりする時もあるし。だったら逆に、ちゃんと勉強して命を救えるような医師になりたいと思って、救命を最初に志望しました」
この日、藤井医師がのぞんだのは、全身の50%にやけどを負った高齢男性(70代)の6回目のオペ。
「自家培養表皮使います。手術時間は2時間くらい。出血は200くらいです」
共にオペにのぞむのは、やけど治療のスペシャリスト・上田敬博医師。
京都アニメーション放火殺人事件・青葉真司被告のやけど治療を担当した元主治医でもあります。
鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター 藤井直人 医師
「救急のことを教えて下さったのは上田先生ですので、救急にはいるきっかけを与えてくれたような人です」
オペ室の温度は37度。
患者が低体温症とならないよう高めに設定されています。
汗が滲み出る中、オペは無事終了しました。
鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター 藤井直人 医師
「この時まで感染症に負けずに患者さんを維持できるかってところが勝負だったので、無事終わったかなという感じです。暑かった!」
鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター 上田敬博 センター長
「(藤井医師は)初めて鳥取大学出身の卒業3年目の専攻医・第1号で、ちゃんと育てないとなと感じています」
午後9時半。
この日、藤井医師の姿は病棟にありました。
救急医に欠かせないのが、当直勤務。
午後4時から翌日午前9時までの17時間、ICUに入院中の患者や診療時間外で一次・二次救急では受け入れられない救急患者への対応を行います。
鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター 藤井直人 医師
「この8月は熱中症何人見ましたっけ?手が回らない時もたまにあります」
結局この日は、幸いにもホットラインが鳴ることはありませんでした。
鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センター 藤井直人 医師
「平和が一番。ずっとこの場所にいない時もありますよね。」
翌朝。上田医師も交え、患者に関する情報共有を終えたその時でした。
「コードブルー、コードブルー。エンジンスタート」
「やばい、10時半で3件目!」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。