静岡県川根本町に工房を構える植田徹さん。南アルプスのふもとで登山用のバッグ(ザック)を製作しています。

<ブルーパーバックパックス 植田徹さん>
「これがサンプルで、僕はオーダーでお客さんの要望を聞いてから作るので、これを見ながら相談を聞いていますね」

<社会部・大西晴季記者>
「背負ってないみたい、本当に軽い」

今回のしずおか産は、植田さんがオーダーメイドで作る登山用のバッグです。山岳ランナーのレジェンド、望月将悟さんにレース用のバッグも作っています。

<山岳ランナー・望月将悟さん>
「僕がレースにかける思いをすごく汲んでくれて、彼も真剣になってリュックの製作に取りかかってくれてうれしかった」

本州を横断する山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」。415キロを自らの足だけで進みます。望月さんは2010年からレースに参加し、前人未到の4連覇を達成、2016年には大会史上初めて5日かからずゴールしています。

レースに勝つため新しいバッグが欲しい。偶然、南アルプスで出会った植田さんのリュックが目に留まりました。

植田さんは小学校の元教諭でした。趣味の山登りが高じて、バッグを作るようになりました。植田さんのバッグは一味違います。

<社会部・大西晴季記者>
「上の方が幅が広くて段々シュッとした感じになっていますけど、これはどういったデザインですか」

<ブルーパーバックパックス 植田徹さん>
「重さの感じ方を意識しているんですけど、子どもをおんぶする時に、よいしょって上に上げたくなると思うんですけど、ということは、ダランと荷物が下に下にくると肩とかに負担がかかるので、できるだけ首根っこの近くに重さがあるような感じで上に荷物がいくように上を広く形をとっています」

背負ったまま、ものが出し入れできるよう、オーダーごとにレイアウトをしています。

<ブルーパーバックパックス 植田徹さん>
「こちらは実際に製作する工房のスペース。こちらは色んな生地をストックしています。これから作るパーツを事前に切り出したものですね」

生地は海外から取り寄せたナイロンです。強靭な繊維を織り込んだ素材を選んでいます。

<ブルーパーバックパックス 植田徹さん>
「この繊維がダイニーマという繊維なんですけど、同じ重さなら鉄よりも強い。例えば、こんな感じで切れ目が入っててもここから破れることはない」

川根本町に工房を構えたのには、理由があります。

<ブルーパーバックパックス 植田徹さん>
「僕はこの南アルプスが好きでここを拠点にしたんですけど、お客さん達にも工房を訪れるついでに南アルプスを登るきっかけを作ってくれればいいなと思ってこの場所を選びました」

山岳ランナー・望月将悟さんのリュックも寝る間を惜しんで作りました。

<山岳ランナー・望月将悟さん>
「軽量で使い勝手の良さ、植田くんが作った思いととともに、彼のリュックと一緒に旅をしてレースをしていきたいという思いで彼のリュックを使わせてもらっています」

静岡県の山登りの魅力を聞きました。

<ブルーパーバックパックス 植田徹さん>
「500m以下の低山もあり、1000、20003000メートルの山もあり、どんなスタイルの山歩きも楽しめるのが静岡のいいところだと思っているので、普段山に親しまない方もぜひ、秋これからのシーズン気持ちがいいと思うので足を向けてほしい」

植田さんのバッグは、きょうも山を登っています。

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