看板メニューの厚切りのかつ丼が多くの人に愛されました。仙台市内で戦後からおよそ80年間営業してきた飲食店「ひさご」が10日、のれんを下ろしました。
最終営業日、行列絶えず
営業最終日を迎えたのは仙台市青葉区一番町4丁目の「ひさご」です。午前中から行列が絶えず、7席のカウンターは常に満席状態でした。
客:
「かつ丼を食べに来たんですけど売り切れでワンタン麺を頂きました」「悲しいですね、老舗がどんどんなくなるので」
「女房の味付けで愛された」
「ひさご」は戦後間もなく仙台市内に開業。2代目の鈴木正孝さん(69)は高校卒業後から、およそ50年間、妻のあつ子さんと共に店を切り盛りしてきました。
ひさご 鈴木正孝さん:
「こみ上げてくるものがありますよね。女房の味付けで、私の味付けではないのでそれで愛された」
老舗おでん店から花束…
近くの老舗おでん店からは、花束が贈られました。
おでん三吉 田村忠嗣さん:
「60年近く前の代からお世話になったので感謝です」
多くの人から愛された店の看板メニューは、こちらの「かつ丼」です。
さよなら、名物「かつ丼」…
我妻優記者:
「肉厚ですね、すごい!」
およそ2センチある肉厚のかつ丼。多くの人がこの人気メニューに舌鼓を打ちました。
我妻優記者:
「ジューシーで、卵もおいしいです」
なぜ閉店を決意したのか…
店を閉じることにした理由の一つは豚肉や小麦など原材料の高騰でした。
ひさご 鈴木正孝さん:
「価格を上げればよかったけど上げないで頑張るだけ頑張ってみた。やり切ったというより残念。もうちょっとやれたんじゃないかなって悔いが残っている」
味も価格も「市民の味方」としてのれんをあげ続けた「ひさご」。多くの人に惜しまれながらもその歴史に幕を閉じました。
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