(記者)今年の4月以降、鹿児島県警の警察官らが相次いで逮捕・起訴され、有罪判決が出されています。
県警内部の捜査情報を漏らした元巡査長は、地方公務員法違反の罪で懲役1年・執行猶予3年の有罪判決。知人女性にキスをするなど、わいせつな行為をした元警部は不同意わいせつの罪で懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決。
そしてきょう9月10日、鳥越被告は性的姿態等撮影などの罪で懲役2年・執行猶予3年の有罪判決を受けました。
警察情報を漏らしたとして逮捕・起訴された前の生活安全部長・本田尚志被告の裁判は、検察と弁護側が事件の争点を整理する手続きに時間がかかるため、来年以降に始まるとみられています。
(キャスター)10日に判決がでた鳥越被告の盗撮事件は、本田被告が隠蔽を主張していますね。
(記者)本田被告は「野川本部長が鳥越被告の盗撮事件を隠蔽しようとしたため、不祥事をまとめた文書を記者に送った」と主張しています。そして、鳥越被告の逮捕について「私が送った文書がきっかけになったと思う」と述べています。
一方、野川本部長は隠ぺいを否定しています。
これまでの会見で、本部長は「自分の指示次第ではもっとはやく検挙できた可能性もあった」と反省の弁を述べた上で、「本田被告の文書があったから隠しきれなかった、慌てて捜査したという事実はない」と主張しています。
(キャスター)今回の盗撮事件の捜査中、枕崎署では署員を対象に教養=いわゆる研修を行いましたよね。
(記者)県警は、署員の中に容疑者がいる可能性があったため、犯人が再び盗撮をしないよう教養を行ったとしています。
また、捜査の途中では、本部長の「同種の事案が起きないよう教養を行え」という指示を、枕崎署長が「捜査を中止して教養を行え」と勘違いしたため、捜査が2日間とまったという経緯もありました。
一方、本田被告は今回の盗撮事件で、本部長が当時、「最後のチャンスをやろう」「泳がせよう」と話し、事件を隠蔽しようとしたと主張しています。これについても本部長は否定しています。
(キャスター)相次いだ不祥事をうけ、県警は再発防止策をつくりましたが、県議会の動きもありましたよね?
(記者)県議会には、県民から「本部長の隠蔽があったのか、なかったのかを明らかにしてほしい」という声がよせられ、強い調査権限を持つ百条委員会の設置を求める動きもあります。
しかし、最大会派の自民党県議団が「裁判が終わっていないこともあり、百条委員会を設置しても県民の期待に応えられない」として設置しない方針を決めました。
(キャスター)今回の裁判で、本田被告の主張する「隠蔽」があったのかなかったのか、触れられることはあったのでしょうか。
(記者)鳥越被告の公判の中では「隠蔽」について触れられることはありませんでした。本田被告が今後の裁判で何を語るのかが注目されます。
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