2030年秋に開業予定の大阪のIR(統合型リゾート)について、大阪府の吉村知事は事業者と10日付で、「解除権の放棄」について合意したと明らかにしました。また、夢洲で行われるIRの工事について、万博の混雑が予想される時期に工事の休止日を増やすなどして、影響を低減する対策を事業者と合意したということです。

 大阪市などによりますと、大阪・関西万博期間中に夢洲で行われるIR工事について、来場者が増えることが予想される開幕直後やゴールデンウイーク、お盆などに工事の休止日を増やすことで、事業者と合意しているということです。

 また、杭の工事について2か月程度延期させることで、重機の稼働台数、工事音のピークを万博閉幕後にずらし、万博会期中の工事量を大幅に削減するとしています。

 工事方法については、高さ2mにも及ぶ万能塀の設置や施工基盤の切り下げ騒音や振動が出にくい機械を使うこと、散水などの粉じん対策を検討しているということです。

 さらに、万博開催期間中のIR工事に伴う工事車両の台数の総数を約14%削減、工事車両が使う高速道路の出口を転換させるなどして交通渋滞を回避させたいとしています。

 大阪府の吉村知事と大阪市の横山市長は、官邸で行われた岸田総理などが参加する「大阪・関西万博に関する関係者会合」に出席、吉村知事らが上記の対策などについて説明し、関係者間で合意を得たということです。


▼IR「解除権の放棄」大阪府市と事業者で合意

 また、吉村知事によりますと、IRをめぐって、解除権の放棄について事業者と大阪府市との間で、10日に合意が交わされたということで、2030年に開業することがほぼ確実になったということです。解除権の放棄は9月6日付としています。

 (大阪府 吉村知事)
 「2030年の開業に向けて大きな一歩が前進した。これからは具体的なものになっていくと思います。2030年に世界最高水準のIRを開業させていきたい」

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