クマによる人的被害が相次いだ青森県の八甲田山系で行われている入山規制について、宮下宗一郎知事は9月21日までに登山道の全ての規制を解除すると明らかにしました。
青森県 宮下宗一郎知事
「9月21日をもって全ての登山道の閉鎖が解除される見込みとなっています」
2024年6月、タケノコ採りの女性が亡くなるなど人的被害が相次いだ八甲田では、現場を中心に半径約3kmの範囲で入山が規制されていました。
こうした中、規制解除に向けて8月から関係団体によるパトロールや試験的開放で安全確認が行われてきました。
これらを踏まえ、宮下知事は入山が規制されている登山道のうち9月14日に「毛無岱線」など3つの路線を、21日には「谷地八甲田大岳線」などさらに3つの路線の規制を解除することを明らかにしました。
青森県 宮下宗一郎知事
「一定の安全が確保されるという見通しの中で解除しているので、それぞれが後はクマ対策をしていただいた上で秋の行楽シーズン、八甲田登山を楽しんでいただきたいと考えています」
県では八甲田登山道の見通しの悪い場所に、新たにハンドベルを設けるなどして安全確保に努めることにしています。
古くから良質な温泉を求めて湯治客や観光客が訪れる八甲田山系周辺の「酸ヶ湯温泉旅館」は、入山規制の間、規制されていない八甲田周辺エリアを車で散策できるツアーを行なってきました。
今回の段階的解除について解除のタイミングは「早い」という声も聞かれました。
滋賀から来た人は
「しょうがない。(山に登れなくて)残念。またいつか行ける時に…」
十和田から来た人は
「まだまだ安心感はないですよね。(冬眠などでクマは)食料欲しさに降りてくると思うので、まだ早い」
酸ヶ湯温泉旅館は、9月末~10月にかけて7割~8割の予約を受けていて、今回の入山規制解除に安堵している様子でした。
酸ヶ湯温泉 畑田素子 支配人
「毛無岱は景色がきれいで人気のスポットなので、そこが解除されることは喜ばしいことです。本当に安心しました。これから山が色づくころなので、本当によかった」
酸ヶ湯温泉旅館によりますと9月、2度ある3連休は、それぞれ2割程の予約客が入山を希望しているということです。
また、山開きに備えて10月、すでに県外の団体から約20件の予約があり、今回の入山規制解除に期待を寄せています。
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