「告発者捜しは、知事の指示だった」。兵庫県知事のパワハラ疑惑を調査する百条委員会で、知事の側近がこう証言しました。一方、知事については、閉店時間を過ぎた喫茶店に「自分は知事なのに」と言って居座った疑惑も浮上。喫茶店のスタッフが明かした当時の様子とは。
兵庫県 斎藤元彦 知事
「県としての(懲戒処分の)対応でしたので、法的にも十分、裁判になっても対応できる。県としても、私としても問題ないと思っています」
5日朝も記者の質問に淡々と答えた兵庫県の斎藤元彦知事。一方、5日に行われた百条委員会では、専門家が知事の内部告発への対応について、こう指摘しました。
公益通報制度に詳しい 上智大学 奥山俊宏 教授
「まるで独裁者が反対者を粛正するかのような、陰惨な構図を描いてしまった」
斎藤知事のパワハラなどの疑惑をめぐっては、元幹部が県の公益通報制度を利用して内部通報しましたが、その後、停職3か月の懲戒処分となりました。
公益通報制度に詳しい 上智大学 奥山俊宏 教授
「私は、知事らの振る舞いは公益通報者保護法に違反すると思います」
さらに、百条委員会には知事の側近も出頭し、「告発者捜し」について重要な証言も…
委員
「協議で文書の作成者(告発者)を捜そうとなったんでしょ?」
原田産業労働部長
「まあ、そうです」
委員
「誰からの指示ですか?」
原田産業労働部長
「知事からの、知事からというか、結局、その全体を…」
委員
「ちゃんと答えてください。知事からの指示なんですね?」
原田産業労働部長
「トータルとしてはそう」
こうしたなか、去年まで兵庫県議会の議長を務めていた小西隆紀氏が取材に応じ、告発後の知事の対応を批判しました。
兵庫県議会 小西隆紀 元議長
「(元幹部の)処分は待った方が良いんじゃないですかと上申までしている職員がいるんだから、そこでも止まれた。自分に都合のええ判断をとってしまったんやろうね」
そのうえで、議会が団結して、知事への不信任決議案を提出すべきだと強調しました。
兵庫県議会 小西隆紀 元議長
「一つの会派は不信任案を出すと言ってるんですから。会派のメンツがなんとかとか、あそことは組めないとか言うとる場合ではもうないよと。(議会は)解散になって、もう一回、選挙も受けて立つくらいの気概で、(選挙に)落ちたらどうしようなんてもう思うなと。今こそやる時やろと」
斎藤知事は、6日の百条委員会に証人として再び出頭する予定です。
知事について今、次々と持ち上がっている新たな疑惑。
記者
「『俺は知事だぞ』と激怒して、夕食を準備させたという証言がある」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「(権力を)ちらつかせたり、激怒したりということは私の記憶としてはないですね」
知事の立場をちらつかせた、という疑惑はほかにもあります。
閉店時間を迎えた喫茶店での出来事。
喫茶店スタッフの証言(news23の取材に対し)
「閉店時間から10分経っても出ないので、『当店は午後3時で閉店です』と声をかけた。すると、真顔で『知事の斎藤ですけど、話し合いしてました』とだけ言って出て行った。知事だったら何をしてもいいの?と捉えた」
兵庫県 斎藤元彦 知事
「(Q.知事だからこそ、職員や従業員を困らせてはいけないと思うが?)大変申し訳ないなという思いで、『すみません、兵庫県知事です』と名乗ったということです」
おねだり疑惑では。
中間報告のアンケートより
「農業関連のイベントで、淡路島たまねぎを欲しいと発言されていた」
淡路島でタマネギを作っている農家に話を聞いてみると。
タマネギ農家
「淡路島のタマネギなんかもろたって、そんなに喜ぶもんじゃないのになって。あの人だったらお金をたくさんもらっているだろうに。おねだりしなくてもいけると思うねんけど」
斎藤知事の人柄について、小西元議長に聞いてみると。
兵庫県議会 小西隆紀 元議長
「『なんで知事になりたいんですか』って、本当に直球の(質問)。『なんで?』って聞いたときに、天命ですとお答えになった。 ダライ・ラマじゃないんだから。もし、その感覚でずっといかれたら困ったもんですわ。もう(知事に)なったんやから。もう天命終わってんねんから。もうあとは好きに辞めぇと」
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