南日本や西日本を中心に河川の氾濫や建物浸水の被害を与え、鹿児島県屋久島では推定樹齢3000年の「弥生杉」をなぎ倒すなどした「台風10号」。また、日本には直接的な影響は及ぼさないと考えられるものの「猛烈な勢力」にまで発達して大陸方面に歩みを進めている「台風11号」。2024年は非常に印象に残る台風が多く発生しています。

印象に残る理由の1つに少し変わった「台風の名前」を挙げる人も少なくないのではないでしょうか?台風10号は「サンサン」、台風11号に至っては「ヤギ」です。

台風11号「ヤギ」

この「台風の名前」。一体だれがどうやって名前を付けているのでしょうか?また、台風に名前を付ける理由は何なのでしょうか?

「台風の名前」は誰がどうやって決めているの?
(気象予報士・吉田篤さんの解説)

台風11号は実は「ヤギ」という名前がついていますが、実は2024年の台風は、1号からずっと見ていきますが全部に名前がついてます。

1号…「イーウィニャ」
2号…「マリクシ」
3号…「ケーミー」



9号…「ジョンダリ」
10号…「サンサン」
11号…「ヤギ」

日本名が今回11号の「ヤギ」ということになっていまして、いろんな名前が付けられているわけなんですけれども。この名前がどうやって付けられているのかといいますと…。

「台風委員会」なるものがありまして、環太平洋の14か国の国と地域が集まって、それぞれ10個ずつ名前を考えて合計140個ありまして、2000年からその命名が始まっているという状況です。

日本に関しては名前はコイヌ、ヤギ、ウサギ、カジキ、コト、クジラ、コグマ、コンパス、トカゲ、ヤマネコなど…。
星座の名前を10個提供しているということになります。

どうして正座かというと、中立的な名前であったり、利害関係が生じにくい、あるいは台風って天空にあるので、同じような天空にあるイメージ、人々に親しまれてるっていうのもありまして、星座をつけているんだそうです。

なぜ台風に「名前」を付けるの?

気象庁HPより

「台風委員会」なる存在があることや、14か国から10個ずつ集められた「台風の名前」が順に付けられていることなどは分かりましたが、そもそもなぜ台風に名前を付ける必要があるのでしょうか?

気象庁のHPによりますと、以下の2点の理由があるようです。

●国際社会への情報に台風委員会が決めた名前をつけて、それを利用してもらうことによって、アジア各国・地域の文化の尊重と連帯の強化、相互理解を推進すること

●アジアの人々になじみのある呼び名をつけることによって人々の防災意識を高めること

また、HPによりますと、台風のアジア名は繰り返し使用されるものの、大きな災害をもたらした台風などは、台風委員会の加盟国・地域からの要請を受けて、そのアジア名を以後の台風に使用しないように変更することがありるようです。

また、発達した熱帯低気圧が東経180度より東の領域から、または東経100度より西の領域から北西太平洋域に進入してきた場合には、各領域を担当する気象機関によって既に付けられた名前を継続して使用するため、台風委員会の決めた以外の名前の台風もあるようです。

【出典】気象庁ホームページ「台風の番号とアジア名の付け方」
(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html)

気象庁HPより
気象庁HPより

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。