“日帰り客”がメインと言われる奈良で4日、新たなホテルが開業しました。その狙いとは?

 フランス・パリを拠点とするホテルグループが4日に開業した『ノボテル奈良』。記念式典はテープカットではなく、古都・奈良をイメージさせる“組み紐”を使って行われました。

 (奈良県 山下真知事)「大阪・関西万博もございます。これから奈良における宿泊需要がどんどん高まっていくのではないか」

 エントランスは奈良の工芸品が並ぶなど、落ち着いた雰囲気が漂います。客室は全264室。ターゲットが外国人旅行客ということもあり、「畳+ベット」のタイプなども設けられています。部屋には、ホテルの情報を見ることができる最新のスマートミラーも。

 レストランのビッフェでは、奈良県のブランド牛「大和牛」のステーキや、奈良漬をソースに使ったパスタなど、郷土の味を存分にいかしたメニューが取り揃えられています。

 奈良県は、長い歴史を持つ神社仏閣があり訪れる観光客は全国トップクラスで多いものの、宿泊せず日帰りで帰ってしまう“日帰り客”がメイン。去年の客室稼働率は全国40位でした(※2023年「宿泊旅行統計」より)。

 さらに、1人あたりの観光消費額も5308円と、全国平均の9931円と比べて大きな開きがあることも課題とされています。そんな奈良に、なぜホテルの開業を決めたのでしょうか?

 (ノボテル奈良 戒田真総支配人)「やはり大阪・京都に皆さん泊まりたがる。しかしながら逆転の発想で…」

 ロスなく大阪・京都に移動できることをメリットととらえた、その真の狙いは?

 (戒田真総支配人)「万博に向けて大阪もパンパン(満室)、値段もどんどん上がってきますので、ぜひ奈良を拠点に大阪・京都に」

 来年開催予定の大阪・関西万博。期間中の来場者数は2820万人と想定され、うち海外からの来場者は約350万人とされています。万博の宿泊需要の“おこぼれ”を取り込むという奈良にしかできない?戦略のようです。

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