台風10号の後も、日本周辺では1日、フィリピンの東海上にあった熱帯低気圧が発達し、新たな台風「台風11号」が発生しました。この台風は発達するものの西寄りに進み日本からは次第に離れていくとみられますが、日本の南にはこの他にも注目すべき「台風のタマゴ」が存在します。

まずは日本の南にすでに発生している熱帯低気圧。
今後ゆっくり北上しますが、これはあまり発達しないと予想されています。また、次第に日本から離れる見込みで、日本への影響は小さいでしょう。

もう1つはハワイに近い日付変更線付近。
衛星画像を見ると、その周辺に雲の塊があって、熱帯低気圧を確認することができます。

実はこの熱帯低気圧が日本に近づくと「台風」と呼び名が変わる可能性がありました。

気象庁HPより

台風等は監視担当国が決まっていて、太平洋の西経域はアメリカ、そして東経域は日本が担当しています。なので、180度線を境に監視担当国が変わると呼び名も変わるんです。

今回の熱帯低気圧、アメリカで監視されていた際は「トロピカルストーム」と呼ばれていました。これが西へと進み180度線を越えて日本の監視域に入ると、「台風」と呼ばれる可能性があったのです。

気象庁HPより

そして実際に2日、この熱帯低気圧が日本の監視域に入りました。

ただ台風の基準となる中心付近の最大風速が17.2メートル未満だったため、これは引き続き熱帯低気圧のまま。また、今後も発達する可能性も低いことから、「台風」にはならない見込みです。

そしてもう1つ、日本のはるか南には「台風のタマゴ」が存在しています。このうちの一つが発達し、日本に近づく可能性もあります。

日本の南海上は今、台風が発生しやすい状況になっていますので、今後の気象情報に注意してください。

気象予報士 石川博康

気象庁HPより

気象庁HPより

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