海岸で拾った“石”が442万円!?その正体は、非常に貴重な天然の香料「龍涎香」です。
龍涎香を知るためにやってきたのは、名古屋市にある「アンバーグリスジャパン」。ここでは、龍涎香の鑑定や買い取り、龍涎香を使った香水の製造・販売などを行っています。アンバーグリスジャパン代表で調香師の吉田恭隆さんに龍涎香を見せてもらいました。
白っぽい石のような見た目で、“浮かぶ金塊”と呼ばれる龍涎香。去年7月に沖縄で見つかったものは268gで小売価格442万円です。その正体とは…
(調香師・アンバーグリスジャパン代表 吉田恭隆さん)「マッコウクジラのおなかの中にできる結石。端的に言うと“うんこ”みたいなものですね。結石がおなかの中にできて、フンと一緒に出てくるので、どちらかと言うと“うんこ”寄り。海の上を30年とか100年泳ぐうちに香りが良くなって、黄金と呼ばれるような香りになるんです」
その香りを、特別に嗅がせてもらいました。
(山中真アナウンサー)「……いいにおいではないですね。知っている香りで近いものは、牧場の排泄物的なにおい。でも、馬でも牛でもない」
龍涎香をエタノールにつけて3年かけて溶かすことで、いい香りになると言います。納得いかない山中アナのために、吉田さんが持ってきたものは、1000年ものの龍涎香。「ブラウン」と呼ばれるミドルクラスの龍涎香や、100年ものの「ホワイト」と呼ばれるトップクラスの龍涎香があり、そのさらに上、最上級のものです。
(吉田恭隆さん)「珍しいどころの騒ぎじゃない」
(山中アナ)「金額をつけるとしたら?」
(吉田恭隆さん)「金額つかないですね」
特別に香りを嗅がせてもらうと…
(山中アナ)「ああ、全然違う!いい香りがします。森林系アロマのような優しい香り。古いおばあちゃんの家の、決して臭くない、そんなにおいに近い気がします」
そもそも龍涎香はどうしてこんなにも価値が高いのかというと…龍涎香はマッコウクジラの1%、約100頭に1頭の割合でしか確認されないといいます。さらに、クジラから排泄されたものが、ぷかぷかと海の上を漂い、何年もかけて海岸に流れつかないと見つけられないため、非常に貴重な天然香料として歴史的にも重宝されていました。
大阪でも去年と今年、2度にわたってマッコウクジラが迷い込む騒ぎがありましたが、2頭どちらにも龍涎香は確認されなかったといいます。
龍涎香を見つけたい!そう思ってやってきたのは、和歌山県白浜町。取材班が探すこと1時間。龍涎香らしきものすら見つからず、助手のスタッフにも手伝ってもらい3時間、海岸を探し歩きましたが見つからず。
ちなみに、龍涎香を見分けるポイントは3つ。1つ目は、海に浮かぶこと。2つ目は、熱したワイヤーを当てると溶けること。3つ目は、溶けた部分を紙につけるとベタベタとくっつくこと。とくに3つ目は、時間がたってもベタベタするのが特徴です。この3つをクリアすると龍涎香の可能性がかなり高いといいます。
過去に見つけたことがある人は、どのようにして見つけたのでしょうか。
(3年前に龍涎香を見つけた宮里勇人さん)「探すためのグッズを集めて、ワンちゃんを訓練して、訓練2週間で探してくれたんです」
見つけた龍涎香は約165万円の価値だったということです。
(宮里勇人さん)「(Qどんな状況だった?)子犬だったんですけど、ものすごく興奮して、威嚇するような感じでくわえてきて、なかなか口から離さない。香りを嗅いでみたら、今までと全く違うにおいがすると」
浮かぶ金塊、龍涎香。一攫千金も夢じゃない…かもしれません。
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