「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の元妻が、40歳以上年の離れた、別の男性に対する詐欺事件の裁判では、きょう2日午前、和歌山地裁で判決が言い渡される予定です。起訴状によりますと2016年、須藤早貴被告(当時19歳)は札幌市内の男性(当時61歳)から、海外留学の準備金名目などで、約3000万円をだまし取った罪に問われています。

争点は、詐欺罪を成立させるポイント=「欺いていたか」という点。これまでの裁判で、両者の主張は対立しています。

須藤被告「私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者だ」

須藤被告は「これだけのお金を受け取ったのは事実で、嘘も反省しているんですけど、ベースは愛人。私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者だと思っている」と話しました。さらに、男性がお金を払ったのは「全面的に私の話を信じていたわけではない」とし、体を触る対価や口止め料として払っていたと主張しました。

一方、検察側は「被告の発言で被害男性が錯誤に陥り、金を振り込んだ」と指摘しています。

被害男性も証人として出廷し、「(須藤被告と)誕生日が同じで運命を感じていた。美容師になりたい、という早貴の夢を応援していた。嘘だと知っていたらお金を支払わなかった」などと主張してきました。

◆法廷では、髪をかきあげて独特の”雰囲気”を醸し出し

これまでの裁判で、須藤被告は、毎回同様の黒のワンピース姿。へそのあたりまで伸びた髪をおろした状態で、法廷に姿を現しました。

被告人質問では証言台に立ち、話す前に一呼吸置き、髪をかきあげて独特の”雰囲気”を醸し出し、男性との出会いから関係性まで、淡々と赤裸々に語りました。

二人の関係は、はじめは、須藤被告が働いていたキャバクラで出会った「ホステスと客」。店を辞めた後は週1回ほど会って、定期的に月20万円もらうほか、会うたびに小遣い10万円などをもらう「愛人関係」だったと言います。

検察側は、懲役4年6か月を求刑。きょう2日の裁判では、須藤被告に判決が言い渡される予定です。いっぽう、野崎さんに対する殺人などの罪に問われている裁判員裁判は、今月12日に初公判を迎えることが決まっています。

〈おことわり〉
須藤早貴被告は2018年「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77)を、急性覚せい剤中毒で殺害した罪で起訴されています。詐欺事件の当時は19歳でしたが、殺人という重大事件の被告として、すでに名前も報じられていることなどを鑑みて、MBSとしては実名で報じています。

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