シリーズ「現場から、」です。データやロボットなどを活用する「スマート農業」に注目が集まります。山梨県では収穫量を増やすだけでなく、高齢化した農家の技を受け継いでいくための取り組みも行われています。
広大な農業用ハウス。トマトを栽培する山梨県北杜市のアグリマインドです。2ヘクタールのハウスで年間およそ1200トンを出荷していますが、その収穫量は一般的なハウス栽培に比べると?
アグリマインド 藤巻公史 社長
「収穫量は6~7倍」
これだけの成果をあげる秘訣が…
藤巻公史 社長
「『スマート農業』の力。データ活用した農業を行っている」
こちらの農園は、センサーで温度や湿度などを生育に最適な数値に制御して栽培効率を高め、収穫量の増加に成功しました。その一方で…
藤巻公史 社長
「とれるものが多いので労務的なところ、人がたくさんかかるというのが悩みの点」
悩みだった人員配置は、作業報告を手書きからデータ入力に切り替えたことで効率が改善し、スタッフは10年間で100人から50人に半減しました。
収穫量は7倍、人手は半分と夢のように感じられるスマート農業ですが、その「伸びしろ」は…
藤巻公史 社長
「数値化はある程度できるようになってきているが、それを分析・判断するのはまだ人が担っている」
そこでAI=人工知能の力も活用し、AIが栽培や人員の最適値を自動で設定する実証実験にも取り組んでいます。
藤巻公史 社長
「限りある資源の中で『最適化』を目指して挑戦していく、それが私たちの思い」
AIを活用した農業は山梨特産のブドウ栽培でも盛んになっています。
このスマートグラスは、AIが検出した不要な粒がディスプレイに表示されます。このため、本来、ベテラン農家の技術が必要となる不要な実を摘み取る摘粒作業が誰でもできるといいます。この日は高校生が体験しました。
生徒
「これを切ればいいと指定してくれるので、すごくわかりやすかった」
山梨大学は、自動で摘粒を行うロボットの開発も進め、実用化を目指します。
栽培支援システムの開発に取り組む・山梨大学 茅暁陽 副学長
「いま直面している問題は、高齢化と人口が急激に減っていること。『匠の技』をAIに獲得させることで伝承できる」
スマート農業が未来の食を支えることになるのか注目されます。
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