シリーズでお伝えしている次の衆議院選挙に向けた長野県内の各選挙区の現状。
今回は、有権者数およそ27万4000人、上伊那から下伊那地方までの長野5区です。

立候補を予定しているのは
自民党・現職の宮下一郎(みやした・いちろう)さん66歳、
いずれも新人で表明順に共産党の後藤荘一(ごとう・そういち)さん71歳、
立憲民主党の福田淳太(ふくだ・じゅんた)さん30歳の3人です。

三つ巴となるのか、それとも前回選挙と同じく、現職に対し野党が候補を一本化して挑むのか注目されています。


自民党 宮下一郎さん:
「人口減少を乗り越えて日本が発展するにはどうしたらいいか考えてるわけですけれども、私はやっぱり人と人が交流をする、これが一番の解決策だと思います」

7期目を目指す自民党の宮下一郎さん。

週末ごとに地元に戻り、各地で行われている催しを精力的に回っています。


宮下さん:
「まさにこれからリニア時代、三遠南信時代でですね、大きく発展するこの地域ですので、その総仕上げといいますかね、これからまさに正念場だという思いで頑張りたいということを多くの皆さんに訴えたいと思ってます」

2003年の選挙で初当選した宮下さんは、その後、1度落選するも父・創平(そうへい)さんの強固な地盤を継いで17年の選挙までほぼ圧勝します。

しかし前回選は、野党が共闘体制を敷いたため「与野党一騎打ち」の対決となり、立憲民主党の候補におよそ1万7000票差まで詰め寄られました。


宮下さん:
「共闘された場合には、前回の選挙と同じように大変厳しい戦いになるというのが、特にですね、明らかになると思いますので、どんな構図になっても勝ちにいけるように気を引き締めて戦いに備えたいと思ってます」

自民党の裏金問題では、就任3か月で農林水産大臣の退任を余儀なくされ、自身も政治資金収支報告書の記載内容を訂正しました。

来る自民党総裁選では、選挙管理委員を務めるため、特定候補の支持は表明できないとしながらも、「国を引っ張る強いリーダーが必要」と強調します。

宮下さん:
「様々な課題に直面する我が国が、様々な転換をして前に進んでいくためには、政治がしっかり役割を果たすことが大事ですし、そうした力を兼ね備えたリーダーがですね、選ばれるっていうことが望ましいというふうに思ってます」



共産党 後藤荘一さん:
「岸田首相、追い込まれて退陣に追い込まれてしまっています。裏金事件の反省もなしで退陣して解散総選挙を新しい顔でしていこう、本当に自民党のやり方、今までと全く変わっていない」

共産党・新人の後藤荘一さん。

飯田市議を2021年まで5期16年半務めました。

防衛費の増額を進める自民党政治は許せないと2023年6月に立候補を表明。

上伊那から下伊那まで広く回って街頭演説を行い、支持を訴えています。


後藤さん:
「消費税を5%に下げたり、働く皆さんの最低賃金ですね、これ全国一律で1500円以上に引き上げる。軍拡を進めるか、それとも国民の命と暮らしを守る政策に転換をするか、それが争点になると」

計画が進むリニア中央新幹線については、環境への影響や残土処理問題など解決されていない課題が多いとして「工事を見直すべきだ」と主張します。


後藤さん:
「残土置き場も100%決まっていないし、大鹿村の要対策土も、飯田市へ持ってくるっていう本当に納得いく説明のないまま、これを進めているっていうのがね、やっぱりね、ちょっと考えられないことで、国としても考え直すべきだと」

野党共闘については各党の中央レベルでの合意が必要だとしながらも、「自民に勝つためには一本化が理想」と前向きに捉えています。

後藤さん:
「候補者一本化ですよね、野党の。それは話し合いで決まっていくっていうところで、一致できるやっぱり勢力とやっぱり協力、政策面でね、協力し合って、選挙協力するべきだなと」



立憲民主党 福田淳太さん:
「賃上げ、少子化対策、こういったことの実現によって、どこに住んでいても、どういう仕事をしていても一定水準以上の豊かな生活ができる日本を、わたくし福田淳太は築き上げてまいります」

立憲民主党の新人・福田淳太さん。

飯田市出身の30歳で、衆議院議員秘書などを経て、地方紙・千葉日報社で記者として働きました。

立候補の表明が今年4月と遅く、知名度を上げるため連日、党の宣伝カーに乗って街頭演説を続けています。

福田さん:
「私圧倒的にですね、知名度が足りないので、まずは自分の思い、なぜ政治家になろうと思ったのか、そしてどういう政策、どういう日本、伊那谷を作りたいかというのを、丁寧に訴えかけていくしかないと」

リニア中央新幹線については、企業の誘致や観光振興のためにも必要なインフラであると賛成の姿勢を示しつつ自民党との違いを意識します。


福田さん:
「要対策土、水問題、環境問題をしっかりとJR東海さんが科学的根拠を持って、解決をしていかなければいけない。住民が不安を持ったまま、こういったことを強行してはいけないと考えております。一方で、やはり地域を発展させるため、当然必要なものだと考えております」

野党共闘については、現時点ではそこまで考えが及ばないとし、若さを前面に出し、ほかの予定者の胸を借りる気持ちで挑んでいきたいとしています。


福田さん:
「50年先であっても、若い方も、お年寄りも希望を持って生きることができる。そういった社会を作らなければいけない。そのビジョンを示せるか。そしてそれに対してしっかりと責任を持てるか。本当に40年50年、この地域、日本のためにお仕事ができると考えております」

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