県外で活躍する青森県民を紹介するターニングポイント。人生の転機となったそのとき、どのような思いや決意があったのか。第90回のストーリーは、青森市出身「Lien(リアン)」オーナーシェフ 上原浩一

東京都港区虎ノ門にある虎ノ門ヒルズ ステーションタワー4階に、2024年にオープンしたフランス料理店「Lien Toranomon Hills」。上原は、オーナーシェフとしてこちらを含む3店舗と焼き菓子などを販売するオンラインショップを経営している。

父親の背中を見て決めた料理への道

サッカー少年だった上原は、父親が飲食店をやっていたこともあり、小さい頃から美味しいご飯を味わっていた。

上原浩一さん
「(実家が)定食屋と居酒屋を兼務していたようなお店だったので、トンカツや、その日に獲れたお魚を刺身定食にしてもらったり、父親の趣味で山にキノコを採りに行ったり…。仕入れると高いものばかり食べてたなと思います」

父親の背中を見て育った上原は、小学生の頃から料理の道に進むことを決めていた。高校卒業後は、料理の勉強をするために青森市内の調理師専門学校へ。この時点で上原は既に先のことを考えていた。

上原浩一さん
「調理師学校に行った後に東京出て働こうと思ってました。根拠のない自信はありましたね。自分はやれるっていう自信があったんですけど、その自信も砕いてはまた作って砕かれてまた作ってを繰り返しながら、ちょっとずつコツコツ積み重ねてきた感じです」

目指したのはフランス料理、それは一番謎の部分が多かったから…。

上原浩一さん。
「和食、イタリアン、中華に比べたら、フランス料理は出てきた料理が、これどうやって作ってるの?ってわからない。そこにすごい興味があって」

上原の中で“一皿の中に驚きがたくさんあった”というフランス料理を学ぶため、東京のフランス料理店で働き始める。

しかしまた先のことを考えていた上原は、より深くフランス料理を学ぶため、働いていたお店のシェフに紹介してもらい、西荻窪のフランス料理店「サン・ル・スー」で働き出す。

「こんなに美味しいものを作る人間がいるんだ」フランスでの修業時代

上原浩一さん
「結構無口なシェフで見て覚えろみたいなタイプのシェフだったんですけど、作ってる料理がこんなに美味しいものを作る人間がいるんだっていう驚きというか、
カリスマ的なシェフで(そのシェフの影響で)23歳の時にどっぷりフランス料理にはまってしまった」

7年半働いた後、本場フランスでさらに学ぶため、パリのレストラン「エレーヌ・ダローズ」へ。それは、今まで学んだことの答え合わせのような感覚だった。

上原浩一さん
「もちろん間違ってなかったなとは思ったんですけど、フランス行ったら、結構フランス人が自由に料理を作っいて、もっと自由にいろんなことをやっていいんだなっていうふうには価値観はちょっと変わりましたね」

32歳で自分の店をオープン!経営者としての新たな挑戦

上原浩一さん
「小さい頃から飲食店といった商売をやっている中で育ったので、こうやったらお客さん入ったんじゃないかとかこう変えていこうとか、改善点をきちんと見つけてどんどん変えて、3か月後からは予約でいっぱいのお店になってましたね」

ミシュランのビブグルマンを7年連続で受賞。さらに森ビルに誘われ、2024年1月、虎ノ門ヒルズに「Lien Toranomon Hills」を出店。そんな目まぐるしい中でも食材にはこだわっている。

上原浩一さん
「もちろん食材は青森がメインなんですけど、関東近辺のいろんな農家さんともお付き合いがあるのでそういう所も行ったり。食材はいつでも新しいものを探している状態なんで」

上原が大事にしていることは、自分がこの店に行きたいかどうか。
料理を基本とし、経営者として「Lien」のこれからを考え続ける。

上原浩一さん
「とにかく料理っていう所は誰にも負けないっていう気持ちを持っています。会社の経営理念として、食を通じて青森をはじめとする多くの人たちに幸せを届けていきたいということを、突き詰めていきたいと思ってます」

「仕事をしながら仕事でストレス解消していく」という上原オーナー

青森テレビ「わっち!!」月~金曜夕方4時25分「わっちtheキッチン」2024年8月27日放送回より

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。