熊本電鉄で今なお動く、“戦前を知る” 車両。
その修繕に向けたクラウドファンディングが行われています。
熊本電鉄の北熊本駅に併設される車両基地。そこに、ひと際歴史を感じる車両がたたずんでいました。
戦前から “96年の歴史”
熊本電鉄 企画営業課 一戸文彰課長「劣化が進んでますね。一部こういうところが木になっていますね」
「モハ 71形」。1928年に製造されて戦前から広島を走り、1957年までに当時の国鉄から3両が熊本電鉄に譲渡されました。
正確な資料は残っていませんが、広島に原爆が落とされた1945年8月6日、3両のうち2両は、たまたま山口県下関市の車両工場で検査中だったため被害を免れましたが、1両は広島にいて、「被爆電車」となった可能性があるということです。
そんな歴史がある車両ですが、1981年を最後に3両とも客車を引退。
現在はこのうち1両が、北熊本駅構内で他の車両をけん引しています。
しかし、ある問題が。
96年の歴史で積み重ねたモノ
一戸課長「昭和3年(1928年)製の車両で、動態保存されてるのは珍しい。貴重な存在ですが、弊社では屋根のない所での保存になっているので劣化が目立っていて、それを少しでもきれいにできたらという思い」
「モハ 71形」の修繕に必要な費用は最低でも450万円。熊本電鉄は、費用をクラウドファンディングで集めることにしました。
一戸課長「クラウドファンディングを成功させて、車両もきれいな状態で、これからも末永く残していきたいと思っています」
寄付すれば、車両を貸切っての撮影会に参加できるなどのお返しがあります。
そしてスタートからおよそ1か月、寄付受付の最終日のきょう30日(金)、目標金額を達成しました。
今年で「96歳」になるモハ71形。9月にも修繕を始め、修繕した後は北熊本駅の構内で客を乗せて走るイベントなどに活用する予定です。
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