今回のヒーローは楽天イーグルスの則本昂大投手。今シーズン、先発から試合の最後を締めくくるクローザーに転向しました。プロ12年目で初挑戦ながら、ここまでリーグトップのセーブ数をあげるなど存在感を放ち続ける新守護神が、新たな挑戦で感じたこととは…。

突然のクローザー転向、その時則本投手は…

去年のオフ、契約更改後の記者会見本人の口から衝撃的な発表がありました。

去年12月の会見時の則本昂大投手
「今江監督から要請を受けまして“クローザー”をつとめたいと思っています。冗談じゃないんで。はい。ちょっとすごく手汗あるんですけど、はい」

エースによる突然のクローザー転向表明。会見場は驚きに包まれました。

楽天 則本昂大投手:
「(Q クローザー転向の監督からの打診は想定内?)冗談交じりでは思っていたが、いざ監督に呼ばれて十中八九そのことかなっていうのは正直ありましたね。9回を締めるというのは、先発にとっては“特別”なものなので、それまでの8回と“最後の9回”は、先発にとっては重みが違う1回なので、そこを毎回任されるのは僕の中では“特別なもの”」

サヨナラを呼ぶ3者連続三振!

7月28日のロッテ戦、同点で迎えた9回表、6番高部、7番友杉を連続三振、さらに、8番中村奨吾も空振り三振に仕留め、3者連続三振。雄叫びを上げチームを鼓舞します。

すると、その裏、則本投手の気迫に呼応するかのように打線が奮起。辰己選手がサヨナラ打を放ち、勝利を掴み取りました。

楽天 則本昂大投手:
「(三振を)狙っているわけではないんですけど、うまく3つ取れた。基本的には先発が試合を作って、中継ぎがつないで最後僕に回ってくるので、そこでしっかりとしないといけないなという気持ちはあるので。その日できるベストというつもりで毎日やっている」

辰己選手が恒例水かけ拒否!そこで則本投手は…

サヨナラ打を放った辰己選手は、恒例の水かけを拒否。

猛ダッシュで逃げるその速さにチームメイトが諦める中、則本投手だけは最後まで諦めずベンチまで執念で追いかけ、しっかりと水を浴びせていました。

則本昂大投手:
「普通にかけに行こうと思ったら、あいつ逃げたので。“どこまでも追いかけてやろう”と思っていたらベンチに座ったので、もう1回かけてやりました。もう誰も辰己選手にかけに行けないので、ああなると。もう“持久力勝負”だなみたいな感じでしたね」

先発投手として輝かしい記録

則本投手といえば、アクセル全開の全力投球で三振を奪うスタイルが持ち味。

2014年の交流戦では史上最多の4試合完封。2017年には2桁奪三振の日本記録を樹立するなど、先発投手として輝かしい成績を残しています。

クローザーとして見事な適応力発揮

そんな彼が33歳でのクローザー転向。当初は不安視する声もありましたが、蓋を開ければ1イニングをフルスロットルで投げるスタイルがハマり、初登板から14試合連続無失点を記録。

その後も着実にセーブを積み上げ、見事な適応力を見せています。

則本昂大投手:
「(Q クローザーのやりがいとは?)“チームの一員として毎日戦っている”というのは感じている。今は基本的には毎日ベンチ入りメンバーになり、ずっとチームと同じ流れでやっているので、成功しても失敗しても“次に向けての準備”をするのは僕にとっては良い環境。失敗しても次の日に“挽回のチャンス”が回ってくる。切り替えられるというか、切り替えなきゃいけない」

では、クローザーの難しさとは何なのでしょうか。

則本昂大投手:
「やはり“先発に勝ちがついている状態”は緊張感がある。僕も先発やってきてた人間なので、それまで積み重ねてきたアウトや、1週間の調整時のメンタリティをわかるので、なおさら先発に勝利投手の権利がある時はプレッシャーというか気が引き締まる」

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