遅い速度で九州に大荒れの天気をもたらしている台風10号。29日午前8時ごろ、強い勢力で鹿児島県薩摩川内市付近に上陸。その後も暴風域を伴ったままゆっくりと九州を北上しています。 

 鹿児島中央駅。普段なら通勤・通学で大勢の人が行き交う時間帯ですが、駅前に人の姿はほぼありません。

 (中野広大アナウンサーリポート)「体を傾けないと歩いていけないようなそんな強い風です」

 歩けないほど強く吹き付ける風。大きな木が倒れ歩道を完全にふさいだり、バス停が根元から折れ、倒れるなどの被害が出ました。

 一方、28日に最大瞬間風速27.6m/sを観測した宮崎市では、竜巻とみられる突風が発生。屋根とみられるものを巻き上げながら風の渦が移動している様子も見られました。

 一夜明け29日、被害の様子がわかってきました。道路にはたくさんの物が散乱。窓ガラスが吹き飛ばされ、雨風が吹き込む商店。車に何か当たったのでしょうか、フロントガラスに大きなヒビが入っています。電線には飛来物がぶら下がっていて、風の強さがうかがえます。台風はゆっくりと移動を続けていて、影響は広い範囲で長時間に及んでいます。

 大分県では、大雨により、冠水や土砂の流出、倒木などが相次いでいます。

 (住民)「こんなん初めて。怖いですね」
 (住民)「洋服とかは2階に上げているけど(1階は)もう浸かる覚悟」

 大分県佐伯市では28日から避難所に高齢者ら約70人が避難しています。

 (避難した人)「移動ができるうちに避難しておこうと思ったんです」
 (避難した人)「家におったら怖い」

 また、熊本市内では始発から電車もバスも運休に。商店街のアーケードの飾りも強風対策のため取り外され、休業した飲食店の窓には養生テープが貼られていました。

 近畿には31日から1日にかけて最も接近するとみられ、現在、徳島県内の美馬市木屋平・上勝町・佐那河内村・神山町には土砂災害警戒情報レベル4相当が出されていて、住民に避難が呼びかけられています。

 また、徳島県北部と高知県に線状降水帯が発生しました。気象庁は、徳島県と香川県に非常に激しい雨が同じ場所で降り続いていて、命に危険が及ぶ土砂災害や、洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているとしています。

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