熊本県の木村敬知事が、8月25日から3日間の日程で就任以降初めて台湾を訪問しました。訪問の狙いとは。

初の台湾出張 「長い交流の出発点に」

木村敬 熊本県知事「行って参ります」

木村知事にとって初めての海外出張となった台湾。県議会・経済界の代表との今回の「シャトル外交」は、熊本県発展の行方を占う大切な機会です。

木村知事「台湾の人と面識を広げて、これからの熊本と台湾の長い交流の出発点にしたい」

「第3工場」誘致の行方は

26日、今回の最大の目的であるTSMC本社に到着した木村知事は、TSMCの経営幹部と面会し、第3工場の誘致について直接意欲を伝えました。しかし、TSMC側からは「第1工場・第2工場の円滑な推進があれば検討する」との発言に留まったと言います。

一方で、第3工場については2024年6月、魏哲家(ギ テツカ)会長が地元住民の賛同を得られたならば建設を検討するという趣旨の発言をしていて、木村知事は「地元住民の賛同」を得るためにも「地下水保全の取り組みを地元に説明して欲しい」と要望しました。

これに対し、TSMC側からは前向きな回答があったということです。

木村知事「地下水保全についてもTSMCとして全力で頑張っていくと。環境に優しい製造・地域住民の理解を得る取り組みを頑張っていくというお返事を頂きました。これはかなり今までにない手応えを感じた」

新技術の集積地点へ

木村知事はTSMCも立地する新竹(しんちく)のサイエンスパークやその周辺も視察しました。ここには、ハイテク企業だけでなく大学や研究所などが集約されていて、開発された新技術がスムーズに新製品の生産へとつながるようになっています。

台湾の半導体関連産業が発展している要因の1つが、このパークの存在なのです。

木村知事「企業が来て産学の連携、または研究開発がより活発となるような拠点が整備されて、様々なイノベーションが起きることが熊本で進めていかなければならないこと」

木村知事は「熊本版サイエンスパーク」実現への一歩として、今回の視察を計画しました。

「近い友人として」台湾交流への思い新たに

台湾滞在の最終日である27日には急遽、日本の経済産業省にあたる経済部や台湾総統府も訪問。郭智輝(カク チキ)経済部長からは熊本版サイエンスパーク構想について「台湾のノウハウを教えるなど協力したい」と、力強い回答があったということです。

木村知事「(台湾側の)熊本に対する強い期待感を感じました。ぜひ、近い友人としてこれからも台湾と熊本の交流を積極的に進めていきたいという思い新たにしました」

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