台風の影響で、冠水した道路を車で通行する様子が見られますが、そこには大きな危険が潜んでいます。

窓の近くまで水に浸かった車。車内には、助けを求める人の姿が…

8月14日、長野県松本市付近で大雨が降り、松本空港の下をくぐるアンダーパスには、大量の水が流れ込んでいました。

4台の車が水没し、そのうち1台には、80代の夫婦が取り残されていました。

当時、アンダーパスの出入り口では、警察が通行規制かけていましたが、別の側道から誤って入ってしまったようです。

取り残された2人は、駆けつけた警察や消防に無事、救助されました。

線路やほかの道路などの下を通るため、周辺よりも低くなっているアンダーパス。

冠水したアンダーパスに車で進入してしまうと、長野県でのトラブルのように脱出することは、容易ではありません。愛知県でも…

水面に車の屋根 事故を防ぐ“風船”

(報告:越智駿平記者)
「車が沈んでいます。1.5~2メートルほどでしょうか。茶色く濁った水の表面に、うっすらと車の屋根を確認することができます」

こうしたアンダーパスでの事故を防ごうと、名古屋市は2015年から、出入り口に「エアー遮断機」を設置。

豪雨などで、アンダーパスの水深が15センチを上回ると検知器が反応し…「冠水通行止め」と書かれたビニール製の袋が、風船のように膨らむ仕組みです。

現在は、名古屋市内30か所のアンダーパスのうち、12か所に設置されているということです。

一方で、浸水した車からの脱出は、かなり難しいようです。

危険な水深は?タイヤで言えば…

では、車はどれくらいの「水深」でエンジンが止まる可能性があるのでしょうか?JAF愛知支部で聞きました。

(JAF愛知支部:吉田英治さん)
「車の下の部分が(水に)つくくらいの水深。タイヤで言えばホイールの半分くらいですよね」

きのう(27日)の豊橋冠水。今回の台風の影響で、冠水した道路を通行する車の様子が各地で見られていますが、大雨が降る中での運転は、エンジンが止まる可能性があることを認識していなければなりません。

(吉田英治さん)
「まずはマフラー(から入ってくる)。マフラーが水でふさがってしまうことで、排気ができなくなってエンジンが止まってしまう」

JAF愛知支部の吉田さんは、車の構造にもよるが、目安として約15センチの「水深」でも、エンジンが止まる可能性があることを、知っておいてほしいといいます。

エンジンが止まった…対処法は?

(吉田英治さん)
「走っているうちは排気ガスが出てますので、多少は(水の水浸を)防げることはありますけど、信号待ちとかで止まってしまったときに、水がどんどん入ってしまって、マフラーが詰まって、エンジンが止まってしまうという可能性はありますね」

運転席から見て、歩道沿いの縁石が隠れるほどになったら、エンジンが止まる可能性があるとのこと。

では、車が水に浸かってエンジンが止まった場合は?

(吉田英治さん)
「まずは窓を下げていただいて、自分の避難経路を確保していただく」

水位が上がって、ドアが中から開けられなくなる前に、車から脱出することが大事です。

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