福岡市で子ども2人が亡くなった事故を受け、子どもへのシートベルトの正しい使用方法に注目が集まっています。一方で危険な「サブマリン現象」には子どもだけでなく大人も注意が必要です。

JAFと警察庁の調査では、チャイルドシートの使用率は6歳未満の子どもへの使用が義務化されているにも関わらず、全国で76%で、そのうち4割近くが誤った取り付けをしているとの結果が出ています(警察庁/JAF「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」)。

シートベルトは一般的に身長140cm以上の乗員を対象に設計されているため、身長が低い子どもなどは、チャイルドシートやジュニアシートを使う必要があります。

誤った使用方法では、シートベルトを着用していたとしても、事故の衝撃で車内の座席などに体を強く打ち付けたり、車外に放り出されたりする危険があります。また、衝突時にシートベルトが首や腹部を圧迫する恐れがあることなどから、メーカーの説明書をよく読んで、正しく使用することが求められています。

JAF広島支部・西原大介さん
「構造上、シートベルトは鎖骨や腰骨を支える設計になっているので、小さい子どもは『チャイルドシート』や『ジュニアシート』で高さを調整して正しい位置に取り付ける必要があります」

一方で、大人も座席シートの角度などによっては危険な「サブマリン現象」が起きる可能性があり注意が必要です。

「サブマリン現象」とは、事故の衝撃や急ブレーキなどによって体が座席シートから滑り、車の前方向に潜り込んでしまう現象です。腰の位置にあるシートベルトがずり上がって腹部を圧迫したり、ベルトが首に引っかかったりするなどの危険があります。

JAFの実験映像では、助手席に座った10歳児のダミー人形(シートベルト着用・座席を少し寝かした状態)に「サブマリン現象」が起こり、首がシートベルトに強く圧迫される様子が撮影されています。

街中では、この実験以上に座席の背もたれを倒した状態で車に乗る大人も散見されます。腰骨のシートベルトを体がくぐり抜けてしまうような角度で乗車すると「サブマリン現象」が起きる危険性は高まります。

JAF広島支部・西原大介さん「シートベルトは命を守るために設計されていますが、最大限の効果を発揮するためには、正しい姿勢で乗車することが大切です」

事故の被害をできるだけ小さくするためにも、シートベルトの正しい使用は当然ながら大人にも求められています。

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